強化型サンドポールの製作
以前、ステンレスパイプを利用して軽量、完全防錆仕様のサンドポールを作成し、私だけでなく、

エボさんや上ちゃん、しおざきさんに使ってもらっていましたが、皆さんから意見を聞いた所、

「軽くて全く錆びず、シマノのエサ箱ホルダーの取付けにも良い太さですが、

一寸強度が弱いのか、堅い砂地に強く差し込むと曲がる時が有りますネ・・・」

「挿した状態で竿を支持させると一寸たわんでブレるのも少し気になります」と意見をもらいました。

どうやら細身で肉薄の素材ゆえに軽いのは良いのですが、曲げに対する強度が少し足らないようで、

今回はこれを改良する事にしました。

で・・改善策ですが使用するパイプを太くて肉厚のものにすれば強度は稼けますが、そうすると

良い点で有る軽い事、細くて砂に刺しやすい・・・と言う良い面を殺してしまいますし、

シマノのエサ箱ホルダーも取り付けられなくなります。

そこで、強度を必要とする部分だけを太くて強いパイプとし、

余り力が加わらない竿受け部分からエサ箱を取り付ける部分までと、

砂に刺す下端部分は細いほうが砂にスッと刺し易いので従来の太さとする事にしました。

太さの比較ですが、下写真のものが従来の9.5ミリのパイプと今回採用した12.5ミリのパイプの比較で、

手で曲げようとしても9.5ミリは容易にたわんだり、強く力を加えると曲げられそうですが、

12.5ミリのものは少し肉厚で、とても手では曲げられない強度が有ります。

そこで先ず12.5ミリの太めのステンレスパイプを900ミリの長さにカットします。

また、ホームセンターによっては、1800ミリのパイプの半分サイズとして

最初から900ミリの長さのものを販売しているお店も有ります。

そして前回同様の太さである9.5ミリのパイプを400ミリの長さにカットしたものを2本準備し、

片方の先端にはこれも前回同様に真鋳製のルアー用オモリをステンレスハンダでハンダ付けします。

次にパイプとパイプとの接合ですが、ここも強度が有るステンレスハンダで接合します。

先ずはステンレスハンダ用フラックスを充分に塗り、

パイプとパイプの間の隙間にハンダを染み込ますように大目にハンダを溶かしつつ接合します。

ハンダコテは熱量が強い板金用か電子工作用なら100ワットクラスの大型コテが必要で、

小さなハンダコテでは熱が十分に伝わらず、溶解温度が高いステンレスハンダは溶けません。

温度が低いとハンダの馴染みも悪くなりますのでなるべく大型のコテを使用し、パイプの隙間に多めに

ハンダを流し込むようにし、接合強度を高めるようにします。

ハンダ付けを終えてフラックスを拭き取るとハンダがきれいにパイプの隙間に染み込み、ガッチリ固まります。

下端部分のパイプの差し込み長さは150ミリ程度としましたので、

先端の細い砂に刺さる部分は約250ミリとなります。


尚、この部分のパイプの接合部は段差が出来ないようにヤスリがけしてなるべくテーパー状になるように

加工しておきます。

竿受け側の差し込み長さは100ミリ程度とし、エサ箱ホルダーを接合部分の上側に取り付けます。

上部の細い部分は約350ミリで、サンドポールを砂に刺す時はこの細い部分を持たず、

太い部分を持って刺し込むので細くても曲がる心配はありません。

また、太い部分との接合部でエサ箱ホルダーが止まり、

ホルダーが多少緩んでもこれより下には落ちないメリットも生まれました。

重量は前回のが600グラムに対し、850グラムと少し重くなりましたが、以前使っていたムクのものと比べるとこれでも

かなり軽く、強度はムクと同等で、曲がりやブレが無くなりました。

砂の質にもよりますが、先端の細い部分が完全に砂に刺さり、太い部分が少し埋まった位でシッカリと立ちます。

出来れば太い部分が5センチは砂に埋もれる位に刺すと、ポールに横からの力が加わっても

先端部分の細い部分が曲がってしまう心配が無くなります。

また、浜詰など、砂が柔らかくて刺すほどに深く刺さる浜では長さが少し足らない場合も有ったので、

前回のはキススペの仕舞い寸法である1410ミリにしましたが、今回は

キススペのロッドケースにギリギリに収まる1500ミリとしました。


と・・言う事でっサンドポールの改良も出来ました。

これで北陸の砂利が多い浜や高浜の締まった砂地でもしっかりと深く刺し込めそうですし、

竿を置いてエサを付ける時のブレも解消(~o~)。あ〜っキスが釣れ出すのが楽しみデスッ。(^^)v