F カレイのアタリ
投げのカレイ釣りは専ら向うアワセ釣りのように思われ、勝手に食いついて巻き上げ
たら釣れていたと言う事もままあります。 しかし「巻き上げたら釣れていた」では
カレイ釣りの面白みも半減してしまいます。 いろんなパターンのアタリを確実に
とらえ、瞬時に相手の動きを判断し対応するようにするとカレイ釣りの面白味も
倍増すると思います。
北近畿では冬場は邪魔なエサ取りが少ない上に潮流も緩いので
集中して竿先を監視していればカレイのいろいろなアタリを見る事が出来ます。
@ 前アタリ
本アタリが出る前に出る前触れであり、これを「乗り」と呼ぶ人もいます。
多いのは竿先が3センチ位ゆっくりと押さえこまれ、また元の位置まで
戻って静止する場合や小さなエサ取りがチョコッとつついた程度のアタリが出て
静止するパターンで、カレイが仕掛けに近づいてヒレが触ったり、
仕掛けの上に乗っかってしまった場合にこのような前アタリが出ます。
もちろんここで大アワセをしてもフッキングしませんので、竿尻に近寄って本アタリ
を待ち、アワセの態勢に入ります。
A 本アタリ
小型カレイに多いアタリ
竿先が断続的にクックッと小さく動き、その後少しゆっくり押さえ込んで静止するパターン
で、カレイのアタリで最も多い。 静止後は殆どエサを飲み込んでおり、確実にフッキング
する場合が殆どです。 しかし、竿先の変化は小さめなので風の強い日などは見落とす
事も多いので注意します。
中型カレイに多いアタリ
竿先をグィーングィーンと30センチ位引き込み一旦静止し、また引き込みをする場合は
大概良型が多く、カレイの活性が高い場合に多く出るアタリです。
この場合もエサを飲み込んでいる事が多く、針も口の奥で刺さっているから大きいアタリが
連続して出ると判断し、安心して大アワセすれば良く、すっぽぬけは最も少ない
アタリと言えます。このアタリを見落とす事は少ないですが、他魚もこのようなアタリを
する事があり、特にカレイの時期に合わせて釣れるアイナメも似たような引き込みを
します。しかし、途中で一旦静止するのがカレイの特徴で、アイナメならば連続して
竿先を揺すぶりますので判断は出来ると思います。
大型カレイに多いアタリ
道糸を張ってアタリを待っているといきなり「フッ」と竿先が戻り、道糸は糸フケが出て
しまう事があります。 いわゆる「フケ」のアタリでエサを飲んだカレイが岸に向かって
泳いだ場合にオモリまで手前に引っ張ってしまった場合に出るアタリです。
遊泳トルクが強いカレイ独特のアタリであり、重いオモリまで引っ張るのは大概大型
カレイである場合が多く、カレイ釣り師が最も喜ぶアタリだと思います。
波止で多くの釣り人がずらっと竿を並べて、その内の一本の竿にこのアタリが出ると
周囲に緊張感が漂う。
このアタリが出た場合は針掛りが十分で無い事も多く、すっぽぬけもありますので
竿先にテンションが掛かるまでゆっくり道糸を巻き取り、鋭く「クッ」と合わせて
針が確実にカレイの口内に刺さるようにします。