ハイエースの投げ釣り専用車改造記

サブバッテリーシステム設置の巻

さてっAVシステムとベッドが出来ました。しかし走行中に楽しむAVシステムだけなら通常の車と同じように配線して

エンジンルームのバッテリーから電源を供給してやれば良いのですが、今度の車ではエンジンを停止してDVDを楽しんだり、

これからベッドが有る荷室に蛍光灯を付けたり、小型炊飯器での炊飯、ベッド下に冷温蔵庫の設置などなど

本格的なオートキャンプでは無いにしても以前よりは電化製品を使う事が多くなり、かなりの電力を使う事になります。

本格的なキャンピングカーにはサブバッテリーと呼ばれる予備電池と

バッテリーの直流12V電源を商用電源と同じ交流100Vに変換する「インバーター」と呼ばれる電圧変換機が搭載されています。

キャンプ用の電気製品をいくら使おうとメインバッテリーがあがってエンジンがかからないと言うトラブルを避けると共に、

エンジンを停止してもある程度の時間は電気製品が使えるシステムはキャンピングカーには必須の設備であり、

私も今度の車ではそれなりに電気を多用しそうですので、取り敢えずサブバッテリーを搭載して先ずは電源の強化と、

いくら電気を使ってもメインバッテリーが上がらないと言うメリットが魅力でハイエースに取り付ける事にしました。

しかしあまりにも本格的なキャンピングカー同様の設備は重量やコストが嵩みますし、そのような大掛かりなシステムを取り付ける

スペースもありませんので、エンジン停止中でも必要にして十分なだけの電力供給が出来るシステムとしました。

負荷となる照明や冷温蔵庫、インバーターはなるべく小型のものを使い、大容量の電力バカ食いするものは避けて、

コストを抑えようと考えてみました。同じ場所に長時間もしくは数日も停車する機会は無いと思いますし、

今回の設計はエンジン停止状態で「DVDを3時間程度見られる」「冷蔵庫もエンジン停止中となる深夜から朝までの電力あれば良い」

「照明用の100V電源は1時間程度点灯出来れば良い」と言う程度の設備とし、それ以上電気を消費して

サプバッテリーが上がったらすぐエンジンをかけて補充電し、将来使うかも知れない?

電子レンジや温風ヒーターなど大電力を必要とするものはエンジンをかけつつ使うようにする・・

と状況に応じてエンジンをON−OFFするいわゆる「エコ、サブバッテリーシステム」です。

こんなシステムでも停止中にある程度の時間はアイドリングしなくても電気は使えますので「エコ」になりますし、

搭載するバッテリーも小型のもので良く、とても重い大型のバッテリーを積載して燃費に影響するような設備には

今回はしませんでした。

でっまた無い脳みそを回転?させて考えたのが以下の回路です。

基本的に車に最初から付いている電装品とレーダー探知機やETCユニットはエンジン起動中にしか使いませんので

メインバッテリーから電気を供給し、それ以外の後付した電装品は全てサブバッテリーから電気を供給する事にしました。

「ナビも走行中にしか使わないのでは・・」と言われそうですが、DVDやTVの鑑賞もナビのモニターでしますので

サブバッテリーから電気を送るようにしました。

電気のおおまかな流れですが、車の発電機であるオルタネーターからメインバッテリーに充電。

メインバッテリーとサブバッテリーは「サブバッテリーチャージャー」と言うサブバッテリーの充電を制御する機器を搭載して

接続しました。

サブバッテリーの出力はリレーに接続してON−OFF出来るようにし、リレーがON時のみ負荷に電気を供給します。

リレーの駆動用12V電源は車両側のアクセサリー電源とメインバッテリー側から接続した運転席に有るリレー駆動スイッチから供給。

エンジン始動後はアクセサリー電源から自動的にリレーONさせます。

エンジン停止時はアクセサリー電源からの12Vも供給されなくなりますので、リレー駆動スイッチをONにしてリレーを作動させ、

エンジンが停止してもサブバッテリーから負荷へ電力を供給出来るように回路を考えました。

昔のサブバッテリーシステムでは「アイソレーター」と言う大電流ダイオードを使った電流分配器で

メインバッテリーとサブバッテリーを同時に充電するシステムしかありませんでした。

しかしこのシステムでは内部抵抗が低い側のバッテリーしか充電されない欠点があり、

メインとサブのバッテリーは同じものを使う必要がありました。

しかも同じバッテリーを使ってもその保有電力と内部抵抗には当然ながらばら付きが出てしまうため、

充電状態を常に監視する必要がありました。しかし今は小型のサブバッテリーチージャーと言う機器が開発され、

今回採用したのがニューエラー社のサブバッテリーチャジャーで品番はSBC−001Aと言う品番のものです。

その特徴は

@ エンジン始動後メインバッテリーがエンジン始動可能の電圧となるまではカットOFFして

  オルタネーターからの発電でメインバッテリーのみ充電。

A メインバッテリーがエンジン始動可能電圧の12.5ボルト以上になるとサブバッテリーに充電開始。

B サブバッテリー充電電流は30Aに制限してサブバッテリーの保護をしつつ充電。

C サブバッテリーが12.8Vの満充電に近い状態になると電流を絞って過充電の防止。

D エンジン停止中はカットOFFしてサブバッテリーの電圧が低下してもメインバッテリーからサブバッテリーに電気が流れないようにし、

  メインバッテリーあがりを防止。必ずエンジンがかかる電圧を確保する。

と5つの機能を有しており、メリットとしてメインバッテリーとサブバッテリーの大きさを揃える必要が無く、

どんなバッテリーの組み合わせでもサブバッテリーシステムを構築出来るようになります。

【概要結線例の比較】

サブバッテリーチャージャー

一般のアイソレーター(※1

※1)アイソレーター(分配器)とは?
レジャーなどでライトやテレビを車のバッテリー(主バッテリー)を電源として使用する場合があります。
使用負荷が大きいとバッテリーが次第に弱ってしまい、場合によっては車のエンジンがかからない問題が発生します。
その対策としてもう一つのバッテリー(補助バッテリー)を車に搭載しそれを電源として使用する方法です。
オルタネータ(発電機)から補助バッテリーに分配して充電する装置をアイソレーターと言い、
補助バッテリーが弱っても主バッテリーから補助バッテリーへ電流が流れ込まないようになっています。

以下は仕様ですが、とても小型で場所を取りませんし、今回のシステムにはうってつけの商品で早速購入して取り付けました。


■仕様
型式
  SBC-001A
寸法
  120(W)×55(H)×40(D)mm
質量
  0.5kg
定格入力電圧
  12V/24Vバッテリー
出力電流
  MAX 30A
最大使用電圧
  30V
使用温度範囲
  −20℃〜+60℃
耐震性
  JIS D 1601 段階45に準じる
耐水性
  防水性無し
無負荷電流
  主バッテリー12.0V時 27mA
保有機能
  1.主バッテリー低電圧保護 
   12Vバッテリー時/約12.5V(復帰は約13.0V)
   24Vバッテリー時/約25.5V(復帰は約26.5V)
  2.12V主バッテリー過電圧保護(約20V)
  3.充電電流制限値/30A
  4.サブバッテリーへ充電時にLED点灯(約2〜3A以下で消灯)
  5.ACCスイッチ連動機能
  6.温度保護機能
電流制限方式
  PWM(パルス幅変調)方式
切替方式
  DC 12V/DC 24V自動切替
付属品
  圧着端子、ヒューズ (※ケーブルは別途ご準備ください)

ハイエースはディーゼルエンジン車なのでメインバッテリーは105Aの電流を流せる

小型乗用車では最大クラスのバッテリーを搭載しており、バッテリーあがりの心配はそれほどありません。 

しかしメインとサブのバッテリーの大きさを揃えるとなると大きなバッテリーを2個も積載する事になり、いくら最大積載量1トンの車でも

燃費に影響が出るかも知れませんし、そんな大きなバッテリーを余分に積むスペースも無く、今回のシステムでは不可能ですので

このサプバッテリーチャージャーが大きな働きをしてくれる事になりました。

でっサブバッテリーですが、小型乗用車の1,500CCクラスの車に載っている安価で小型のものにしました。

これを満充電してテストしましたが、上記の

「DVDを3時間程度見られる」「冷蔵庫もエンジン停止中となる深夜から朝までの電力あれば良い」

「照明用の100V電源は1時間程度点灯出来れば良い」と言う電力供給能力はありました。

そのバッテリーは2列目シート横のスライドドアのステップが広くてシートの下がデッドスペースになっていたので

そこに板で箱を作って収納しました。 倒れて液漏れしないように箱の大きさを考えてドアを閉めた状態でギリギリの寸法で箱を作り、

急ブレーキをかけてもステップの上で滑らないようにゴムの転倒防止マットの上に箱を置きました。

箱にはビニールパイプを取り付け、充電中に発生するガスを車外に放出するようにしています。

また、箱の上のシートとの間の隙間に低音スピーカー用のパワーアンプも取り付けています。

これがサブバッテリーでごく普通の自動車用バッテリーです。 ホームセンターの安売り品で2980円なり。

高価なオプティマバッテリーなど超高性能の輸入品の6分の1程度の値段で

これ位の価格なら早く劣化してもそれほど負担にはならず、大容量のものは充電にも時間がかかりますし、

今回の仕様ではこれで丁度良い大きさでした。

本格的なキャンピングカーでは「オプティマ」など

高価で何回でも深い充放電が出来るものを使いますが、フル充電するには商用電源から接続する

専用充電器が必要ですので充電に手間がかかりますし、とても大型で高価ですので

今回はサブバッテリーチャージャーで充電出来る汎用品を使いました。

バッテリーのブラス端子側には40Aのヒューズを取り付け

負荷側がショートした時に切れて電気を遮断するようにしました。

サブバッテリーチャージャーはバッテリーを収納した箱の横に取り付けました。これもヤフオクで落として9,000円なり。

5A以上で充電中はOPERATEランプが点灯してサブバッテリーへ充電中であることが判るようになっています。

但しサブバッテリーチャージャーには一つ欠点がありました・・・それは充電動作中にサイリスタで電流の制御を行う為に

半導体ノイズが出る事。そのノイズが12Vラインに乗ってスピーカーから「ジーッ」と音が出てしまうため、

それを吸収する為にフェライトリング型のノイズフィルターを2個、4,700μFの電解コンデンサーを12ボルトラインに

4個取り付けましたが、未だエンジン起動後2〜3分の充電電流が大きい時はノイズが出て音楽が楽しめ無い為、

前車グランビアから外した大容量電解コンデンサもサブバッテリーチャージャーの2次側に接続し、これでようやく

「ジーッ」音が気にならないレベルまで小さくなりました。下写真のサブバッテリーチャージャーの端子に

直接2個の4,700μFのコンデンサ、その下のグリーンの大きな部品が

壊れた家庭用のオーティオアンプから取り外した12,000μF2発の

大容量電解コンデンサーで耐圧は共に50Vで耐電圧は余裕十分だと思います。

こうする事でノイズの低減だけでなく、12Vラインの瞬間電力供給能力もあがり、音質もダイナミツクレンジが大きくなり、向上します。

バッテリーは直流に対しては内部抵抗値がとても低いのですが、高周波ノイズの帯域や音声帯域に対しては内部インピーダンスが高く、

ノイズが充電ラインに乗っても吸収してくれず、サブバッテリーチャージャーを介してオーディオ機器を接続する時は

12Vラインに入れるフェライトコアのノイズフィルターと対アース間に入れる電解コンデンサーは必須でした。

サブバッテリーから出た12Vは40Aのヒューズを通り、次にリレーに接続。

通常は車両側のアクセサリー電源からリレーのコイルに12Vを供給してONし、エンジンの始動と共に負荷に電力が供給され、

キーをOFFにするとリレーもOFFして電力を遮断します。 リレーを使う事で全く1バッテリー車と同じように電気機器が作動します。

エンジン停止時にアクサリー電源がOFFとなり、リレーがOFFした時は電気が使えなくなるので、運転席にリレー駆動スイッチを

取り付け、スイッチをONするとリレーがONするようにし、エンジン停止時にも負荷に電気が流れるようにしました。

ヘッドランプ光軸調整ボリウムの下に未使用スイッチの蓋が付いていて、それを取り外してリレー駆動スイッチを取り付けました。



リレーが付いている配電盤です。

配電盤と言っても10連と6連の端子台を木製の板に取り付けたものですが、

サイドステップの蓋を開けるとジャッキが収納してあり、その奥が広く空いていたのでそこに収納しました。

サブバッテリーに近い場所で太い配線も短くて済み、思わぬ所に空きスペースが有って助かりました。

配線はまるで蛸足そのもの・・(^_^;) まぁ・・いろんな機器の電源が全部ここに集まって来るのと

リレー制御用電源までここに集約しましたので中はゴチャゴチャですが、しっかりとした端子盤を使って接続は全部圧着端子で

行いましたので、接触不良とかのトラブルは出ないようにしています。 配線は

12V電力電源は赤、アクセサリー電源は青、アースは黒とおおまかに色分けしていますので、こんなにゴチャゴチャでも

何処に何を接続すれば良いのかは私のみ判ります・・(^_^;)

サブバッテリーの充電状態の監視の為に簡易電圧計も助手席シート裏のピラーに張り付けました。

この電圧計で一番下の赤LEDのみの点灯となったら要充電となります。

サブバッテリーの負荷には消費電力280W程度の小型炊飯器も使える300W、瞬間最大500Wの

インバーターをベッドフレーム下の邪魔にならない所に設置。

こいつは負荷に何も接続しなくても電流が

バカのように流れて消費しますので無負荷の時は電源スイッチを切っておかないといけません。3980円なり。

前車で携帯電話やヒゲソリの充電に使っていた100Wの小型インバーターは後部荷室の照明用に転用し、

ベッド最後端のフレームの下に取り付けました。荷物の出し入れに邪魔にならない所に設置し、

これでも40W程度の蛍光灯なら余裕で点灯します。

場所の制約で逆さまの取り付けとなりましたが、スイッチのON-OFFが出来れば良く、このままにしています。

このインバーターには前後にコンセントが有り、後ろのコンセントから上の白いスイッチ付きのテーブルタップに接続。

負荷がショートしても電流を遮断するブレーカー付きです。

これから取り付ける照明はこのスイッチでON−OFFします。

このインバーターも無負荷の状態でも電気をかなり消費するので、使わない時はオレンジ色のスイッチを切っておきます。

このコンセントはハイエースのオプションで付けてもらったインバータからのコンセントでこれも容量100W。


運転席と荷室後部の2箇所に有り、後部コンセントは照明用小型インバーターの後ろに有ります。

車両側のインバーターからはエンジン起動時しか電気が供給されません。

キス釣り大会など、暑い時期はエアコンを使用するのでエンジンを掛けっ放しとなりますので、そのような時は

照明器具の電源プラグをこれに差し替えてサブバッテリーの電気消費を抑えようと思っており、

100Wの照明用インバーターもこのすぐ近くに設置しました。

以下はサブバッテリーに繋がる機器です。

他ページで書いたオーディオ機器一式DVDプレイヤー、映像分配器、モニター2台、ナビ、

↓の9リットルの容量の小型12V、100V兼用9リットル冷温蔵庫、それに2台の小型と中型のインバーターが負荷として接続されます。

インバーター以外はあまり電力を消費しませんのでインバーターOFF状態でかなりの音量にして2台のモニターでDVDを楽しんでも

3時間程度は鑑賞出来ました。

後日書く予定の照明器具は1時間程度の点灯時間でしたが、ベツドに寝ころんで本を読んだり、荷物の積み下ろしに使う程度ですので

これで適当かと・・。

将来長旅に出られるようになったらメインバッテリーに直結の大容量インバーターも必要となるかもですが、

ミニキャンパー仕様のハイエースには丁度良いサブバッテリーシステムが組めたと思っています。

次は荷室兼ベッドのサイドにカーテンを設置した為に余計に車内が暗くなり、商用車チックなショボイ室内灯では暗くてどうにも

ならなくなってしまったので、蛍光灯や間接照明を付けた話を書きます。ではっまた・・。





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