ADTさんの テクニウムMg用 スペシャルスプール。

今日はまたADTさんのスペシャルスプールを御紹介します。

今回のは皆様お待ちかねのテクニウムMg用で、

ADTの福井社長様とお知り合いの海風(HN)さんが発売を計画され、

これに私の意見も取り入れてもらって作って頂いた量産前のモニター用タイプです。

で・・私がADTさんや海風さんとメール交換し、「このようにしてほしい」とお願いしたのは、

@ テーパー角度は1.5〜2度の弱テーパーでバックラッシュが少ないのに

   ストレートタイプより道糸の放出抵抗が少なくて良く飛ぶようにしてほしい・・。

A 口径が大き過ぎるのはベールアームに接近してアームへの糸叩きが発生し、返って飛距離落ちするので

   純正よりは大きいが、アームと干渉するギリギリの最大口径よりは小さく、

   リールとの大きさのバランスが取れたものにしてほしい。

B エッジ角度は多くの場合、使われる道糸が0.8〜0.4号であることから、21度程度とし、

  それにより、力糸を付けて0.8号で200メートル、0.4号で250メートル巻けると思います。

と・・無理難題をお願いしました。m(__)m

そして・・・ほんの2週間程の間に福井社長さんが設計図面を書かれ、素材を吟味され、削り出しして頂きました。

その出来たてのものを今度は海風さんが鳥取砂丘で試し投げされ、 

結果は上々との事で、「オリジナルが6色半だったのにこれは平均して7色飛ばせ、半色は伸びました!!。」

「バックラッシュは皆無でもっとテーパー角度をつけてもイケそうです。」とメールを頂きました。

そのテスト後のスプールをまたADTさんに持ち帰られ、福井社長さんが丹精込めて

青のアルマイト処理をされたのが以下に御紹介するスプールです。  

で・・今回も丁寧に専用容器に収めて頂き、お送り頂きましたm(__)m。

今回のはテクニウム、チタン用より更に大口径でストロークも長いMg用ですので、専用容器も縦長になっており、

内部には振動からスプールを守る緩衝材も仕込まれて届きました。


そして早速テクニウムMgに装着すると、ほぼ思いどうりの大きさで、リールの大きさとのバランスも良く


弱テーパーなのでメーカー製のナイロン用スプールで多く採用されている6度程度のテーパー角度のものより

前端径が細くならず、貧弱な感じがしませんし、なかなか良い雰囲気デス・・(^o^)丿


色は今回も濃い青で、これがまたキススペホワイト色のリールに映えて良い感じですっ。(^^)

重量は55グラムで、純正とほぼ同等です。下写真でも判りますが純正よりも更に薄く素材を削られており、

素晴らしい職人技を発揮され、スプール軸と接する部分以外に

厚みが1ミリを超える所が見当たらない加工技術に驚かされます。その極薄削り出し加工により、

ノンホールタイプで大口径なのに純正と同等の重量に収まるように仕上げて頂きました。

素材はアルミニウム合金の中でも最も耐腐食性が有る、A6061合金が使われています。

このA6061合金は削り出しの時の加工性が悪くて量産が難しいそうですが、

耐腐食性がアルミ合金中で最も優れている素材だそうで、

ADTさんではスプール用には専らこのA6061を使われるそうです。

超ジュラルミンと呼ばれるA7075は加工性も良くて

これよりも更に硬いそうですが、海で使うとマグネシウムを含むので

腐食が多発するそうで、ADTさんではスプールには使用されないそうです。

この削り出したスプールに、金属表面加工として、更に耐腐食性と滑り、見た目の良さを向上すべく、

ADTさんではアルマイト加工をされています。アルマイト加工とはアルミ合金独特の表面加工法で、

素材を硫酸の容器に入れて電極(陽極)を素材に接続し、電気分解すると、普通の鉄や胴では溶けてしまいますが、

アルミには逆に硬くて多穴質の酸化金属皮膜が強く密着します。これがアルマイト皮膜で、メッキ同様のとても硬い金属皮膜が

素材を覆い、摩擦強度と防錆性能がアップします。先程多穴質と書きましたが、

このミクロ単位の微細な穴が開いた皮膜のお陰で

金属皮膜なのにアルマイト処理の時に混ぜる染料が強く融合し、いろんな色のアルマイト加工が出来る訳で、

色を上から塗布している訳では無く、色落ちは殆どありません。

その染料が微細な穴に融合した後に、封止加工と言って微細な穴を塞ぐ

コーティングなどの加工をするとアルマイト加工が完了し、

少々の砂が擦れてもキズすら付かない強靭な金属皮膜が出来上がる訳です。

上写真のスプール受けと接する部分の6つの穴の内、2つには色が付いていませんが、

実はこの2つの穴に電極を挿し込まれて接続し、スプール自体を陽極とされた跡なのです。

次に、このスプールの大きさや角度ですが、ここでは純正や樹脂青スプールと比較してみましょう・・

前端径は純正が72ミリなのに対し、78ミリとテーパースプールなのに

6ミリ大きくしてもらっています。スカート部分の下端径は82ミリでこれも純正の77ミリより太く作られています。

先程も書きましたがテーパー角度は1.5度でエッジ角度は21度となっており、

ストレートタイプの純正が1ターンで220ミリの糸を巻けるのに対し、ADTさんに作って頂いたものは前端で240ミリ、

下端で245ミリの糸を巻き取る事が出来ます。弱テーパー1.5度ですので、

上端と下端の糸巻き量の差は5ミリしかなく、

リニアな巻き取り感を得るのにも良い角度だと思いますし、ストレートから交換しても殆ど違和感無く使えると思います。

次にテクニウムMg用では最大級を誇る樹脂青スプールとの比較ですが、先程ギリギリの大口径だと

ベールアームとの間で糸叩きが起こると書いたとうり、

この青スプールはベールアームとの間隔が少なく、投げる時にリール上端にスプールを出してから投げないと

そのような事が起こります。よってこの青スプールよりは小さく作ってもらった訳なのですが、

青スプールの前端径は80ミリ!!で、下端は84ミリも有り、ベールアームと干渉するギリギリのサイズで、

やはりこれと比較すると小さく見えます。

ちなみに青スプールでは前端で1ターン250ミリの糸を巻き取れ、下端ともなると255ミリの巻き糸量となります。

しかし・・見た目で感じるよりは巻き糸量の差は1ターンで10ミリ程度であり、純正に比べるとこれでも十分に

高速巻上げ可能なスペックとなっています。

そしてワンポイントアクセサリーとして前回のチタン、テクニウム用同様の

ADTさんのロゴがチェッカーフラッグを模したステッカーに印刷されて貼られています。

前回のは一枚でしたが、これは真後ろにも貼られていました。(^^) 更に良く見ると・・スプールのテーパー面には

前回のと違ってスリットと呼ばれる細い溝が彫られており、

これは道糸の巻き始め部分がスプールのこの溝にしっかりと食い込み

テーパースプールであってもスプール径が細い前端方向へ道糸が逃げないようにする働きが有ります。

今回のは弱テーパーなので、巻き始めの道糸の逃げは少ないと思いますが、樹脂製と違って

アルマイト加工の金属製スプールは滑りが良いので、ADTさんではここもキッチリと押さえて加工されています。


さてっいよいよ次はこのスプールに道糸を巻いて試し投げですなっ。

試し投げでも純正や樹脂製の青スプールと比較しつつ

検討してADTさんや皆様に御報告したいと思っています。


ADTさんではチタン、テクニウム用、テクニウムMG用の他にダイワの45シリーズ用も開発中ですし、

前回のチタン、テクニウム用のテーパータイプも検討中とか。


この5月末から6月初旬頃に生産されるMg用一次生産品は

モニター用としてインターネットで注文した場合は量産品より安く、

アルマイト加工の仕様によって差がありますが、14500円〜15000円で販売される予定です。

その後皆様のご意見を採用しつつ本格生産に移られるようで、量産品は18900円となる予定だそうです。

まとまった意向や要望が有ればもっと違うサイズやテーパー角度のもの、

そして比較的安価なものも検討中との事です。

詳しくはADTさんのトピックスページをご覧下さい。

本業のレーシングカーのパーツ作りも大忙しで、

普段は投げ釣りを殆どされていないADTの福井社長さんですが、

大変研究熱心で海風さん始め私達の意見や要求に素早く応じて頂き

大メーカーに無いきめ細やかな対応をして頂け、大変感謝しております。

さてっ道糸を巻き巻きして今度は海で使わせてもらって続きは書かせて頂きます。

次項はその試し投げ編です。