5月から始まるトーナメント絡みの遠征シーズン、時には2日連荘で大会に出たりする事も多くなる季節となりました。
その際に問題となるのがエサの保存。遠くまで行ったのは良いがクーラーを開けたら異臭がしてエサがヘロヘロ・・とか
1日目は鮮度が良かったのに、2日目の大会で使おうとするとチロリがトロけていた・・なんて苦い経験は過去数十回。(~_~;)
イシゴカイや青イソメなら保冷材を入れたクーラーに適度な温度で保てば、2日間程度は大丈夫ですが、
チロリは鮮度を保つのが難しく、私も過去にいろいろと苦労して来ました。
鮮度の良いチロリを売っている釣具店が皆無に近かった北近畿、
ようやく最近はネットで鮮度の良いチロリの入手が可能となりました。(クール便なので送料がチロリの代金と同じ位かかりますが・・)
その貴重なチロリを何とか3日程度は鮮度を保たせたい・・・といろいろと調べ、
釣具店にも問い合わせるなど、私なりに検討してみました。
先ずチロリの鮮度を落とす原因ですが、
@温度管理のまずさ。 チロリの鮮度を保つには15度程度で高くても18度、逆に13度程度までは下がっても大丈夫。
冷やし過ぎも20度以上の高温も禁物
A運搬時の状態のまずさ。 チロリを水槽やクーラーに張った海水に放り込み、
運転中にゆらゆら揺す振られる状態で運搬すると、
常にチロリに刺激が加わり、揺られる事で虫どうしの接触、常に揺すられる事によるチロリへの負担が生じ、
これは厳禁。釣具店が問屋から仕入れる時もトレーに広くバラした状態で湿らせる程度の状態で配送されており、
釣具店で初めて水槽に入れられている。
B 以前チロリの飼育をした際に気付いたが、チロリは水中は好まない、波打ち際に置いてやると、
海面から2〜5センチ程度高低差が有る少し湿った程度の砂に潜りたがり、自ら水中には入って行こうとしなかった。
Cチロリは自分の体液が付着すると自己感染して急激に弱る。鮮度の良いチロリの中に1本でも切れた虫が居ると
隣のチロリも苦しそうにうごめいてブツブツと自分で体を切り、体液を出し始め、自己感染があっと言う間に広がり、
エサ箱の中のチロリが一気に全滅する。虫エサに体液を吸着する粉を
まぶしてある場合は感染はやや遅れるが、それでも感染が広まり始めると2時間ははもたない。
上記Aのような、水槽でチャプチャプと運搬すると海水が体液で少しピンクがかっただけで
全体が一気に自己感染して白くふやけ、死滅し、使い物にならなくなる。
Dチロリの生育域は汽水域や河口の近くの砂地なので汲んで来ただけの海水では塩分濃度が高すぎて弱り易い。
どれくらいの塩分濃度が良いかは釣具店のノウハウの塊なのでここでは明かせないし私も今後の研究課題だが、
常に鮮度の良いチロリを販売している釣具店では海水に真水(軟水)を足して
海水を薄め塩分濃度を低くしているものと思われる。蛇口から出したばかりの
塩素濃度の高い水道水や鉄分、カルシウム濃度の高い井戸から汲んだ硬水で海水を薄めるのは禁物。
以上の事から、チロリは15度程度の温度に保った、綺麗な砂粒の中に潜らせ運搬中でも水中などでユサユサ揺すらず、
仮に一匹が切れて体液を出してもすぐに洗い流され、海水は少し真水で薄め、
常に綺麗に保つのが鮮度を保つ条件となる事が判る。
このような気難しい、繊細な環境を好むチロリを2〜3日に渡って飼育しつつ運搬・・・かなり難しいですが、
一回の購入金額がネットで送料も含めると2,000〜3,000円となるチロリですし、すぐに弱らせてしまっては勿体無い。
何よりそれでは、特に重量を競うトーナメントでは良型に効く鮮度の良いチロリは不可欠でチロリが死んでは戦にならぬ。
そこで、何とか何とか工夫して少しでもチロリの鮮度を保つ工夫を・・と
先ずはお買い物・・・となりまして、大好きな?ホームセンターに走りました。(~o~)
本日のお買い物一式なり。 「メダカのお部屋」と言う1,300円也の 格安な水槽セットとセットするサイホン用の 交換用活性炭フィルター。 チロリを潜らせるに良いと ムカシから聞く神奈川県の大磯海岸産の 「大磯砂」大磯海岸での大磯砂の採取は 禁じられているそうで、これは何処かの 「代替品」か?。 それにキッチンシンク用水切りカゴと水切り. ネット。これが今回のサティアンにおける おたく作業用ネタ一式、 計3,800円也です・・。(~_~;) その他海水を汲み置いて置く15リットル程度 のポリタンクと真水を入れた2リットル入りの ペットボトル2本を準備しました。 |
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これが水槽セットに付属のサイホン。 大きめな濾過槽とゴミを取り除くストレーナー、 「ブクブクの効果も有り、酸素供給もスムーズ」 と謳われておりました。 |
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先ずは水槽にサイホンをセット。 セットと言っても水槽の ガラスの外側に引っ掛けるだけ・・・。 |
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サイホンの濾過槽にはろ過材を セットしておきます。 このろ過材でチロリの体液が ろ過されるかは現在不明ですが、 無いよりはマシかなと・・。 |
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これが飼育用のステンレス製の水切りカゴ。 大磯砂は大粒の砂と言うか小さな砂利.なので 砂をこのカゴに敷き詰めても 目の細かい網からは漏れ出ません。 |
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シンク用の水切りカゴに付属の吸盤を 専用の引っ掛け金具に取り付け、 適当な高さの位置に密着させ・・ 100均で以前購入したキンギョ用の 水温計もセット。 海水を吸盤付近の高さまで水槽に張り・・・・ 水切りカゴには大磯砂を敷き詰め・・・ |
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チロリを入れた水槽にセットします。 この状態ではヒタヒタ過ぎてチロリがドボ漬け 過ぎて良く無い感じですが、 サイホンの電源を入れてポンプが稼動すると・・ |
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濾過槽に海水が吸い込まれて 水面が少し下がり、 ドボ漬け状態とはならず、 海水がカゴの端っこに供給されて砂が湿った 状態に保たれ、車の挙動で時折波立った 時だけチロリが海水でチャプンッと 洗われる状態になります。 ちなみに、今入れている虫(ワーム)は 撮影用の「ガルプ」です・・(~o~) この状態でわざと水槽を揺らし、 ←ましたが、 チロリはカゴの大磯砂の中に潜った ままで、砂粒が大きいので大きく揺らせても いわゆる砂の「液状化現象」による チロリの浮き上がりは見られず、 なかなか良い感じ。 |
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車の挙動による波立ちで時折砂が濡れて チロリが洗われ、出した体液はカゴの下に 漏れ出て水槽に落ち、サイホンの濾過槽で ろ過されます。 次に肝心な保冷ですが・・ 保冷材はハイエースの冷蔵庫で 何個か持って行き、時折交換するとして・・ この水槽全体を何に入れて保冷するべか・・ とサティアンの中を眺めますが なかなか適当な大きさの保冷容器が 見つからず、発泡スチロールの 大型魚用の容器を購入 しようかなとも思いつつ・・ ふと一つのクーラーが目に止まりました。(^^)v もしかして・・・と昨年末に購入した キス、カレイ兼用マルチクーラーに改造した ダイワのプロバイザーIZMサーフ1600Xに 入るかな・・・とやってみると・・ |
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これがヒッタリの高さ、 サイズで収まりました。(^^)v 正にマルチですなっ。 このクーラーなら保冷力抜群、 一旦水温が15度程度となったら、 少しだけの保冷材で適温を保てそうですし、 水槽の水がこぼれても漏れる心配は不要。 このクーラー、夏場はチロリ専用の 保冷容器となって活躍してくれそうです。 蓋のパッキンが分厚いので ACコードを挟み込んでも蓋はキッチリ と閉まりますしバッチリ。(^^)v |
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もちろん、気温が20度以下の日や車内なら、 保冷材は不要でサイホンする時に気化熱を 奪われるので保冷もせずに適温となりますが、 夏場や高温となる停車中は保冷材は必須。 保冷材は効きが穏やかで冷えが長持ちする ジェルタイプをこれまた100均で 数本用意しました。 |
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でっ早速試運転中・・・ 走行中はハイエースの純正インバーターから 100Vを給電。 エンジン停止と同時に 電源切り替えリレーが自動で作動して サブバッテリーに接続した インバーターがONしポンプに 給電開始。 |
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エンジン停止状態でテストしましたが、 サイホンの小さなポンプなんぞ、消費電力は 少ないもので、 オプティマバッテリー最大容量の1400タイプを 走行充電で2時間ばかりかけて フル充電しておけば、9時間程度ポンプは回り 続けてくれました。 夏場はエンジンを掛けたままで寝るので サブバッテリーの放電時間も気にする事は 無いかもですが・・。 |
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水温が高い時はコチコチに冷やした 固形タイプの保冷材を水槽に密着させて冷やし、 水温計が適温を示した後、チロリをセットします。 通常はこの状態のまま、チロリを 割り箸などでつまみ出して 釣り用のクーラーのエサ箱に移し、 使いますが・・ |
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8リットルのプロバイザーサーフ用に こんな中蓋も作りました・・(^^)v 厚手のレジャーシートをカットしただけですが、 水槽から取り外して水を切り、 このクーラーの「チロリカゴ専用中蓋」にセット するだけ。デリケートな虫エサを触らずに 水槽からこのクーラーにセットするだけで すぐに使えて便利かなと・・。 虫が切れて汁を出しても カゴがメッシュなので下に垂れて 他の虫に感染もし難いかなと・・。 但しクーラーの中が虫の汁で汚れるので カゴの下には新聞紙や クッキングペーパーなどを 敷こうかなと・・・。但し全部のチロリが このクーラーに持ち込まれるので 2日間に渡る遠征では この手は使えませんが・・。 |
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最後に、お片づけっ。 使わない時は必要物を1つのボックスに収め、 忘れ物の無い様に 整理しておきます。 |
って事で、今期はこのチロリ保存アイテムで頑張ろうかなと・・・。
未だに鮮度の良いチロリが手に入らない北近畿、チロリには本当に苦労させられますわぁ・・・ではっ。