力糸考察
力糸にも多くの種類があり、素材はPEとナイロンに大別できますが、同じ素材でも少しづつ
特性が違い、その特性を生かして使い分けすると、よりアタリを楽しめるようになったり、
飛距離にも差が出たりします。 この項では今まで使ってみた力糸を比較検討し、
どの釣り方にどの力糸が適当か考察しました。

上列左 ゴーセンテクミーテーパー力糸
      (赤)
上列中 ゴーセン テクミーテーパー力糸
      (青)
上列右 ゴーセン テーパーライン力糸
      10本継



下列左 東レ 銀鱗テーパード
      5本継
下列中 東亜ストリング プロテーパー
      203 5本継
下列右 サンライン テーパー力糸
      5本継

PE系

@ ゴーセン テクミー力糸 (赤)
東洋紡のダイニーマと言う新素材ライン.をテーパー化した力糸で赤く染めてある。
PEなので伸びは少なくアタリは鮮明に出る。 特にPE道糸と組み合わせて使うと
6色以上先で10センチ以下のピンギスが食いついてもアタリが鮮明に出る。
高速サビキで釣る場合もキスが一匹づつ追い食いするのが良く解り、この力糸を
使うと他の力糸でキス釣りをしても楽しくなくなります。 但し砂紋がはっきりしている
海底を引くとオモリがピョンピョンはね過ぎる嫌いが有るのと、投げる時に少しでも
リリースするタイミングを外すと、方向性にバラツキが出る。 ナイロンの力糸を使用
する時より少し長めのタラシにしないと右方向にすっとんで行く可能性大。
指サックは必ず装着の事。 竿の反発力がダイレクトにオモリに加わる為飛距離
も半色は伸びるはず。 しなやかさも最高で、ガイドを力糸がたたいたり、パーマも少ない
ので殆どトラブルフリーで使える.。色落ちも少なく、キスの数釣りには最適な力糸だが
一本1500円、市場価格1000円程度と非常に高価でシモリ混じりの砂浜など、根がかり
で失う可能性が有る場所ではとても使う気にはなれない。
しかし、ナイロンよりもかなり耐久力はあり、切って失わない限り使い続けられる。
昨年は一本で二十回以上の釣行に耐えてくれました。

A ゴーセン テクミー力糸 (青)
@と同じ素材だが幾分編み方が荒く、表面の滑らかさが@に比べて劣る。
強度も若干落ち、しなやかさも@よりは硬め。 青く染めてあるが色落ちも
少し早く感じます。しかしその他の特性は@と大差無く、
プライベートで気軽にキス釣りを楽しむ程度ならばこの力糸で十分だと思います。
価格も一本1200円、市場価格800円程度と@よりはコストダウンが図られています。
しかしこれでもナイロン力糸5本継を買っておつりが来る価格ですので、
おいそれとジェットスキーが行き交う浜では使う気にはなれません。

ナイロン系
B ゴーセン テーパーライン力糸 10本継
こちらは最も多く市場に出回っているナイロン力糸で、大概の釣具店で販売されており、
これを使っておられる方も多いと思います。 1本、5本、10本継が有り、色も透明、蛍光黄色
等多くのバリエーションが有る。 素材は普通のナイロンで樹脂加工などはされていないので
コストがかからないのか、価格も安価で特に10本継はお得。 根がかりが多い場所などに
釣行する場合も10本継はかさばらず、使い勝手が良い。 強度もしなやかさも中庸で
糸くせも付きにくい。 カレイやアイナメ狙いを始めとする大物狙いや近投でのキスの数釣り
にも使え、適合範囲は多い。但し樹脂加工などはされていないので、吸水しやすく、
紫外線にも弱い。湿度の高い場所や直接日光にさらされるような場所での保管、携行は
避けるほうが良い。 従ってスプールイン等でクーラーに取り付けるのは劣化の元となる。
一旦劣化するとあっけないほど簡単に切れてしまうのでご注意を・・・。
価格は4―12号10本継で1500円、市場価格1000円程度とかなり安価で
竿数を出す人には特にお勧めだと思います。

C 銀鱗テーパード
東レから発売されているテーパーラインでナイロン素材にナイロン6と66と言う特性の
違う原料を重合させたポリマーで、結晶性が低く、柔軟で結節強度が向上したとの事。
樹脂コーティングは施されていないので吸水や紫外線からの耐力は弱いようだが
確かに結び目が強く、良く粘る。3号以上の号寸は無いので主にキスを主体に
開発されたと思われる。引っ張り強度もかなりのもので、ナイロン道糸と組み合わせ
超遠投からのキスの引き釣りに適していると思います。しなやかなのでガイドたたきも
少なく、クセもつきにくいのでライントラブルは少ない。
5本継で1000円、市場価格700円程度とナイロン力糸の中では高めの価格設定
です。

D 東亜プロテーパー
強化樹脂加工が施されたテーパーラインで見た目も表面がつるつるでとても滑らか
である。撥水効果が長く持続し劣化しにくい。 色は赤茶で視認性も良い。
材質は硬めのナイロンでナイロン力糸の中では最も張りがあり、ガイドたたきの音は
大きめだがヨレ、ちぢれは少ない。伸びも少なくアタリは大きめに感じる。
カーボン道糸と似た特徴があり、根ずれにも強く、シモリ混じりの場所で大型キスを
狙ったり、数釣りでアタリを感じながら楽しみたい人にお勧めです。
価格は5本継で900円と丁寧な作りの割には割安です。

E サンラインテーパー力糸
樹脂加工は無く、Bと良く似た特性だが伸びは少なくアタリは大きく感じる。
他の多本継の力糸は糸の末端をシールで止めているが、これは太い輪ゴムで
糸がばらけないようにしている。 この輪ゴムは使用後リールのスプールの糸留め

として再利用可能。 5本継で定価は900円だが市場価格は650円程度
と安く販売されている場合が多い。 号寸も多く設定がされており、キスから
大物狙いまで使用範囲は広い。

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