条件
そのB 天候、波
一般にキス釣りには晴天の日が良いと言うことが定着しているが、理由として考え
られるのは水温の上昇により、キスの活性が高まるだけでなく、海中での光合成が
活発となり、海草からの酸素が多く供給され、海水の酸素濃度が高まる。
植物性プランクトンも多く増殖しそれを食べる動物性プランクトンも活発化する。
キスはこの動物性の小動物を主食としており、食物連鎖が盛んとなる。
従って、水温上昇、酸素濃度の上昇、エサが増殖する、などキスの食い気を高める
条件が揃う。また、この3条件が暫く続くとキスの繁殖も活発化し卵を多く産むために
更に食い気が高まるようである。
但し、盛夏は水温が25度を超え、キスの適水温より海水温が高くなるため、曇りの日や
朝夕の涼しい時間帯のほうが良く釣れる。この時期は大体9時頃になり、日が高くなると
キスの魚影が薄くなり、酸素が多く供給されやすい波口で小型キスが釣れる程度となる。
逆に曇りの日は一日中ムラなく釣れる事が多い。
北近畿は比較的天候の急変が多く、晴れの天気予報が出ていても局地的に雨が降ったり
することがよくある。特に高気圧が西又は北から張り出すと北西よりの風が海岸沿いの山に
ぶつかり、上昇気流が発生する。海からの風は湿度が高いため、雲が出来て雨を降らす。
この現象は冬の季節風が吹く時期の日本海側気候として有名だが、夏でも西高東低の
気圧配置となれば良く雨が降るので、天気図をよく観察して釣り場を選びたい。
網野や丹後町方面は北西に面した釣り場なので後方の山で雲が発生するためほぼ
天気予報どうりとなるが、宮津や舞鶴、高浜は風に対して山の裏側となり、めぐるましく
天候が変わることが多い。
一方、波に対しては北西に面した外海である丹後半島方面は直接に影響を受け、
少しでも北西風が吹くと波立ち、冬場は5メートル以上の波高となることも多い。
逆に内湾である宮津や舞鶴方面は波浪に強い場所が多く、東に湾口がある栗田湾
などは年間を通じて殆ど波立たない。京都府北部の波予報は丹後半島沖の波高で
予報が出されるため、丹後半島方面では予報どうりの波高となるが若狭湾内では
半分程度の波高となる。 従って波の予報が1.5メートルを超える場合は浜詰や平
などでは釣りにならない。1メートル以下でキスは釣れるが理想は0.5メートル以下
である。若狭湾内で予報どうりの波になる所は由良や神崎、高浜の宮崎など
北に面した釣り場に限られ、半島が多いため風裏となる釣り場が多く、例え2メートル
以上の予報時に出掛けてもどこかで竿を出すことが出来る。
以上、まとめると北または西の風予報が出ている時は釣り場が限定され、
数釣りに適さない条件となる場合が多い。天気図を見て京都府北部より北または西に
高気圧があるか南または東に低気圧がある日は要注意です。
その他の気圧配置の日は大体凪となり、どこでもキスの数釣りが楽しめます。