条件 
そのA 場所

以前、あるキスの文献に水温18度以上になるとキスの生息数の95パーセント以上は

水深5メートル以内の砂地の海底に生息していると書いてありました。

この条件にあてはまるのは遠浅の砂浜海岸となります。 確かに、砂浜からの投げ釣り

では100匹前後の釣果をあげているのに、船からのキス釣りでは水深10メートル近い

場所で釣りをすることが多いため、型、数ともに投げ釣りに劣る事が多く、釣具店などで

投げ釣りの釣果を話しても船釣り専門の釣り人は信用してくれない事があります。

恐らくキスは水深が5メートルを超えると天敵のマゴチやヒラメが多くなり、海底もドロ底

となる為、浅場のきれいな柔らかい砂地でエサを探す個体数が多くなったと考えられます。

更に、大抵の砂浜の近くにはその砂を供給する川があり、陸からの栄養分も流れ込み

多くのプランクトンが発生し、それを食べるゴカイやエビなどのキスの主食となる生物も多く、

キスにとっては安全で多くの固体を育む条件が揃っています。

従って、食い気のあるキスが多いのは河口周辺のきれいな水深3メートル前後の砂浜

となるのは必然とも言えます。

北近畿での数の実績場である砂浜で言えば、浜詰海岸には木津川、平浜には宇川、

由良、神崎には由良川、高浜には関谷川とどこも水質が良い川が存在しており、

粒の細かい柔らかい砂が海底に堆積している。

逆に型主体で3連以上釣れる可能性の薄い天橋立や、田井、越浜、三浜、勢浜などは

砂浜の形成過程で川との関連は少なく、海流による砂州や地形的にへこんでおり、

回りに比べて砂が堆積しやすい所で波が砂浜を削りにくい湾奥によくあるパターンの

砂浜です。

後者の砂浜は概して急深で少し沖はドロ底や藻場となることが多く、

花崗岩が風化した粒の粗い砂が堆積していたり、浜辺に海草やゴミが多く漂着しやすい。

同じ砂浜でもキスの生息条件は十分に満たしておらず、ヒトデやウミケムシ、ガッチョ等の

厄介者が多く数釣りには適さない。

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