作り易くて絡み激減 新投げ北天秤作成ページの暫定版 (笑)

2014年3月某日、ひとちゃんと天橋立に行き、越冬キスを狙うもアタリは散発・・・

そんな中、暇に任せてひとちゃんがクーラーから取り出して見せてくれたのが・・・

釣具の通販Gear-Lab(ギアラボ)

さんから「購入したまま、今一手が伸びず今まで一回も使わなかったので・・・1本差し上げますよ」とくれたのが

いつも直線を保ち、絡みが激減、アタリ鮮明を売りにする形状記憶合金製スナズリ

と言うアイテムで、固定式天秤と組み合わせて使うらしいけど、

私が注目したのはその素材の一直線に戻ろうとする張り、

そしてしなやかさ加減。何だかとっても気になる〜。とピンと来て、

アタリが薄い越冬キス釣りはそこそこに、それをありがたくもらって帰り、

ネットをくぐると・・この素材はチタンとニッケルの合金で形状記憶特性を有する素材だと分かり、

更に調べると・・・この素材を使った天秤はすでに篭定さんからも「必殺キスL型天秤タイプ01」として発売済みで、

私も早速この素材を使ってみたくて、その素材を1メートル単位で販売されている

吉見製作所」さんに発注。

取り敢えず良さげと思えた0.7ミリ径の1メーター物が2本入りのを発注しました。

その名は超弾性直線記憶素材と言うもので、2mで1,386円はちとお高いけれど、

天秤の先端に付けて絡み防止、食い込み改善に使う程度ならば一袋で15〜20本は取れそうですし、

早速取り寄せてみました。ついでに、従来のステンレスワイヤーの代用にならないかと0.45モミリ径の5メートル物も

発注。すぐに送られて来て・・・。袋から出すと、ひとちゃんがくれた形状記憶合金製スナズリ



と同じ材質のよう。

これをどうやってステンレスバネ線と結合したや良いのやら・・・

先ずは圧着スリーブでやってみたけれど、この超弾性素材はとても硬い材質でスリーブがなじまず、

いくら硬く圧着しても強く引っ張るとスッポ抜けるし・・・と、これは失敗。しからば・・・と両方に金属用接着剤を薄く塗り、

細い2ミリ径の熱収縮チユーブで締め上げると強く引っ張っても抜けなくなる事が分かり、

早速天秤の制作開始。

今回は・・従来の投げ北天秤の最大の欠点で有る、Vの字に曲げた折り曲げ部分への糸の挟み込みによる絡み発生↓と


圧着とハンダー付けを伴う作り難さも軽減しよう・・・と従来から改善しようと思っていた事も考慮しながら

無い脳みそを沸騰させつつ・・・ってか、元来単純な作りの天秤をよりシンプルに・・

なんて考え出すと知恵が足らず悩んでしまうもので、

3日間もあーでも無い、こーでも無い、この作り方はダメだわ・・などと悩んだ末に考え出し・・・

「スリーブを利用した挟み込みの無い、シンプルな形の天秤としよう・・」と

先ずは材料と道具を揃えて作成に取り掛かります。

ステンレスハンダとフラックスはいつもどうりで、それに熱収縮チューブと金属対応接着剤をホームセンターで追加購入。

先ずは力糸側のパワースイベルが結合する輪は1ミリ径の硬質ステンレスバネ線でいつもどうりにハンダで仕上げ・・・

従来なら、ここで12センチ程度にカットして天秤の腕と圧着スリーブで結合するところですが、

今回はカットせずに、ビーズと内径1.3ミリ、外径1.5ミリのイシダイハリス用のスリーブを通します。

力糸側の輪っかから12センチの位置でL型に折り曲げ・・・

スリーブの下端をペンチで圧着して固定します。

スリーブの圧着後、補強の為にステンレスハンダでスリーブをハンダ付けします。


天秤の足は・・・今回はタングステン砂紋バスターと組み合わせてブッ飛び仕様とすべく、

従来は0.8ミリ径のステンレスバネ線を

約14センチとして圧着、ハンダ付けして作っていましたが、

今回の天秤は1ミリ径のステンレスバネ線を単純に折り曲げただけの1ピースと、超シンプルな作りとなりました。

しかも腕の長さは遠投に有利なようにと9センチとし、かなり短め。

短足ゆえに、投げた時に起こる絡みは、細くて空気抵抗が少なく、超高弾性の直線記憶素材で改善してやろう・・と考え、

足の先端と超弾性素材の先端に金属にも対応の接着剤を薄く塗り・・・

熱収縮チューブは1センチ程にカットして各々差し込みます。

ライターで炙って熱収縮チューブを収縮させ、接着剤が硬化すると、強く引っ張っても抜けない強度で

ステンレスの天秤と超弾性直線記憶ワイヤーが結合出来ました。!(^^)!

炎で焼けた接着剤をカッターナイフで擦ってこそぎ落とし・・・

10センチの超弾性直線記憶ワイヤーが天秤に繋がりました。

私は・・仕掛けのモトスの先端にチチワを作り、スイベルで天秤に取り付けているので、

次はスイベルを超弾性直線記憶ワイヤーの先端に取り付けます。

しっかしこのワイヤー・・・細いのに強く折り曲げる程に弾力がとても強く、曲げ加工はかなり困難で

ペンチでの曲げ加工にはかなりの力が必要ですが、

直線に戻ろうと反発するワイヤーを無理やりに曲げ込み、先端にスリーブを通して圧着し、

スイベルを取り付けて天秤の完成です。海底での姿勢はこんな感じかなぁ・・。笑

従来品との比較。

これなら、ハンダ不良や圧着不良による、スッポ抜けのトラブルは少なくて済みます。

工数削減、作り易くてシンプル。

糸の挟み込みに関しても、とても発生しにくい形に仕上がりました。

スリーブを通して折り曲げるだけ。圧着やハンダ付けも簡単で、手間が少なく、作り易さは抜群です。

これなら、簡単に何本も作れるので、調子こいて各部の長さをいろいろと変えて作って・・・先ずは実投テスト。

近くのため池にでの簡単なテストでしたのでフルキャストは出来ませんでしたが、

力糸側の軸側が12センチ、

仕掛け側の腕が9センチ、超弾性直線記憶素材が10センチのタイプが

飛び、絡みの少なさ、オモリのブレの少なさでバランスが良さげ・・・。

後は海で思いっきり投げないと・・と思いつつ池での

フィールドテストをひとまず終了。


飛行時にはこんな感じで飛び・・・

さびく時にはこんな感じの姿勢で天秤の先端に付けた超弾性直線記憶ワイヤーが

高感度に、そして食い込み良くキスのアタリを伝えてくれそう・・・。


その超弾性直線記憶ワイヤーのしなやかに曲がるのにも関わらず

グイッと無理にヒン曲げても一瞬にして一直線に戻る復元特性とクセの付きにくさは素晴らしく、

ちょっと感動もので、動画もUPしてみました。

普通の鋼線ならここまで曲げると曲げグセがついたままになりますが、

何回強く曲げても、一直線に戻る弾力なのに、意外としなやかでキスの食い込みも良さそうです。

次は海に投げ込んでアタリの出方、食い込み、バレの少なさなどいろいろとテストじゃあ・・

と朝から天橋立に真弓さんと共に行っていた上ちゃんに電話すると・・「渋いわぁ・・」

との事で、以前に越冬キス釣りして遊んだ天橋立の対岸、栗田半島の矢原に行って

テストを試みました。

先ずはいつもの砂紋バスター27号で投げてみます。道糸は0.6号、

天秤の腕の長さは8センチの仕様に・・形状記憶ワイヤーは10センチとしたもの。

イシゴカイをわざと大き目に刺した7本針仕掛けとし、

絡み耐性をみるべく一寸無茶振り気味に強振し、常時フルキャストで5投して全く絡みませんでした。

天秤の腕が短いので良く飛び、飛行姿勢もとても安定してカッ飛んでくれ、

とてもいい感じ。さびいた感じは従来品と大差は有りませんでしたが・・差が出たのはアタリの出方。

しなやかな形状記憶ワイヤーは僅かにアタリに対してマイルドな感じになりましたが、

狙いどうりの食い込みの良さが出たのか・・?。6色から繊細な越冬キスのアタリを感じて巻き上げると・・

嬉しや17センチのキスがっ。


ぽつり、またぽつり・・と3投に1回程度はアタリをくれ、食い込みの浅い越冬キスのアタリを確実に伝えて来て、

きっちりと針掛かりさせてくれました。3匹釣ったところで、

次は・・・更に良く飛びそうな仕様をテスト。

もっと短い腕のものも試そう・・・と

テングステン砂紋バスター27号に腕の長さは6センチのものをテスト。

さすがにこれは絡むかなぁ・・・とは思いつつ、これもフルキャストしてみます。

7本針に大き目のエサを刺しては投げるので、7色目の糸を出すのがやっとですが、

これもかなり無茶振り気味に5投してみましたが、意外やと言うか、全く絡まず、

更に腕を短くした為にとても安定してカッ飛んでくれました。

しかも・・アタリの出方は先ほどよりもかなり鮮明な感じで、これはかなりイイ・・。!(^^)!

こちらの仕様も、アタリが出るとキスがきっちりと針掛かりしてくれ、2匹を追加して5匹となったので・・

最後はムクオモリとの組み合わせを試してみます。

オモリはトップガンの33号とし、腕の長さは5センチ、形状記憶合金は9センチのかなりデンジャラスな仕様とし・・・と言うか

タングステンオモリの長さよりも天秤の腕は短く、常時フルキャストの関東や東海では好まれそう?な仕様ですが。、

敢えてこれもテストするのだぁ〜と久しぶりに竿をヒン曲げて33号を強振しましたが、

やはりこれはブッ飛ぶわぁ・・・。7本針なのに7色目の糸が少し出て、私にしては一寸ビックリの飛距離なり。

「さすがにここまですると絡んでるよねぇ・・・?」と巻き上げると、意外や絡んでも居らず、

その飛びと共にビックリ。ガンガン打ち込んでテストを繰り返したので、すでにキスは散ってアタリは全く出なくなり、

次第に向かい風も強くなって来たので、殆ど投げ練と.なってしまいましたが、

この仕様でも1回も絡まず10投の投げ練を終了。大満足のテスト釣行となりました。

結局、約20投して一回も絡みは無く、もちろん、糸の挟み込みも皆無。

シンプルな形状はやはり、使い勝手も上々で、ノントラブル。

新素材との組み合わせとシンプルさを追求した新投げ北天秤が出来ました。

やはり・・天秤の試作、性能を追求するには海で何回も投げてテストを繰り返すのが必須と感じた釣行でした。

時期的にキスは散発でしたので、キスは多連では掛からず、今後は超弾力直線記憶ワイヤーの長さ、

太さをいろいろと変えて食い込み、そしてズラズラ・・・とキス多連で掛ける性能やアタリの対する感度などを追求すべく、

もっと暖かくなって、キスが高活性な時期に何回もテストし、完成度を高めてゆきたいと思います。

また、私独りだけでテストするのでは無く、チームの皆にも投げてもらって

感想も聞きつつ、改良、またテストの繰り返すのも大切だと思いますし、

頑張って量産(^^♪し、いろんな人の意見も聞きつつ天秤作りを楽しめたらと思っております。

連掛けの性能は未確認ですが、絡み耐性と飛びは抜群なのが確認出来た自信作ですが、

皆様も作られ、投げられる機会が有りましたら、いろんな意見を聞かせてもらえると幸いです。

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