キス数釣り用サイドボックス 投げキューブの製作

今回のタックル製作は「クーラーを改造しなくてもこれ一個でキスの数釣りの装備品を全て収納出来る」

サイドボックスの製作記です。

今までさんざんクーラーの改造を楽しんで来たのに、何故このような物を作ったかと申しますと・・。

最近、「クーラーに、特に真空パネルを使用した面にネジ穴を開けると保冷力低下を招きそうでイヤだ」とか、

「ゴチャゴチャとあらゆる道具を装着したクーラーを持ち歩くのは

キスの数釣り専門以外の釣り人に見られると何か気恥ずかしい」

「サイドボックスは何でもかんでも放り込むと底に入れた物を取り出すのに上に有るものまで出さねばならず、

わずらわしいし、中の整理がしにくく、仮に忘れ物をしていても気付き難い、

何か良い工夫されたボックスが出来ませんか?」

と言うようなご意見をメールで頂戴するようになったからです。

もちろん、私はこれからも昨年作った装備満載のクーラーを持ち歩くつもりでしたし、

サイドボックスは不要と思っていましたが、

昨今はシマノの旧クーラーに付いていたサイドボックスがオークションで一万円弱なんて高値で取引されるほどですし、

去年発売されたダイワの投げ専用クーラーにも同様のものが装備されました。 

どうやらサイドボックスは多くのキスの数釣り師にとってクーラーに装着したい?アイテムであるらしく、

ダイワのサイドボックスを部品として購入し、今までのクーラーに装着する人も見掛けるようになりました。

しかし・・・「何でもかんでも放り込むと底に入れた物を取り出すのに上に有るものまで出さねばならず、

わずらわしいし、中の整理がしにくく、仮に忘れ物をしていても気付き難い」

と言う欠点を解消する工夫まではメーカー製ボックスにはされておらず、

樹脂製で縦長、クーラーへの引っ掛け具が付いただけの簡素な箱なのです。

私のようにスプールや天秤、仕掛けを大目に携行する者に取っては容量が足りませんし、

クーラーにサイドボックスだけ装着しても上記のような問題が有り、使い勝手の点で感心しません。

そうなると結局クーラーにはメゴチ鋏や天秤などを装着するために沢山のネジを使用することになりますし、

クーラーの周囲がゴチャゴチャしてしまい、、浜で会ったファミリーフイッシィングの方に、

「おぉっこのおっちゃんはかなり凝っているなっ」と思われる洗練されたクーラーなら良いのですが、

出来が悪くて見栄えが悪い場合は、変人を見るような目で見られる事も有る訳で、

ここは一丁頑張って数釣り専用サイドボックスを作り、上記の難題の解決を図る事にしました。

投げ専用クーラーは純正の天秤ホルダー程度の装着にとどめスッキリと・・・

今までクーラーにこれでもかと装着していたアイテムを全てこのサイドボックスに

集約してスッキリと目立たないようにしてやろうと思いました。

そのサイドボックスにしても周囲がごちゃごちゃしては何もなりませんので、

ロッドスタンドとタオル掛け程度を小さく取り付ける程度にとどめ、ルアーフイッシィングのタックルボックスのように

機能的なものに仕立てたい・・しかも中身はシッカリと充実してやろう・・。

充実するだけでなく、内部は整理もしやすく、すぐに物が取り出せ、忘れ物が有ってもすぐに気が付くように

きちんと整理出来るような箱を作れば良いんじゃないかなっ。と。今回またお宅しつつ工作の開始デス。(^^)

先ずは素材にする市販の容器を何にするか大変迷いましたが、大きさとしては奥行きはクーラー以下で、高さは

クーラーの3分の2程度の浅底又は正方形。 材質は軽くて丈夫なABS樹脂か錆ない軽金属で・・・と思いつつ

ホームセンターを何軒も廻り、ようやく
コメリと言うホームセンターで見付けたのがこの工具箱。

「CD、DVDのメディアやカメラ、工具類の収納にも便利な

軽量アルミ製ボックスです。」と書かれた工具箱で、

全体に薄いアルミ板が張られており、

四隅は厚手のアルミアングルと樹脂で補強されています。

シッカリしたバックルと蝶番が付き、

蓋には大きなしっかりとした取っ手も付いています。

価格は何と1280円也。

この作りでこの価格はバッタものかと迷いましたが

バッタ物でも他の用途には使えるかぁ・・と

思いましたし、大きさがとても気に入り、

即購入しました。

全面が正方形で、帰宅してすぐに「投げキューブ」

と命名。(~o~)
内部はウレタンが張られており、ウレタンの裏は

合板でその外側にアルミ板が張られている構造です。


内部を仕切る板が付属しており、多くの溝が切ってあるので

仕切り板の移動も可能です。

バックルとアルミ板を固定している角の補強アングルは

クロムメッキなのでステンレスより防錆面で劣りますが、

常に防錆材を塗布しておけば何とか錆は防げそうです。
先ずは外側の改造です。

外側の装備品の装着には防錆を考慮して

全てステンレスネジを使います。

バックルの左にネジで固定したのは

U型のステンレス製金具で、これはタオル掛け。

右側のはサンドポールを挿入するホルダーです。

バックルの下にはシマノのエサ箱に付属する

エサ箱装着ホルダーで、これもネジ止め。

アルミ製ボックスですが、アルミ板の下は合板なので

短い木ネジでしっかりと固定出来ました。

クーラーとの結合部分ですが、ここはガタが出ないように

頑丈な金具を作る事にしました・・と言っても

素材はステンレスの厚板鋼板製蝶番。(^^)

蝶番の可動部の幅がクーラーのベルト穴にピッタリな

サイズのものを探して使います。
蝶番はご覧のように、このままでは

引っ掛け金具として使えませんので、加工します。

蝶番の軸は両端を叩き潰して抜けないようにしてありますが、

軸を抜くためにこの端の潰してある部分をヤスリで削ります。

軸を抜き、可動部をひっくり返して

軸を元のように収めます。
右が加工前、左が加工後です。

削った部分はステンレスハンダで補修して

軸が抜けないようにしておきます。

完成した引っ掛け金具を投げキューブ本体に

4ミリ径の皿付きボルト4本でガッチリと固定します。


その下部にはクーラーとボックスの間隔を平行に保ち、

双方がぶつかり合わないように衝撃を干渉させるため、

ダイワのクーラーオプションとして販売されている

「ふんばるマン」を硬質ウレタンを介して

ボックス下部両端にネジ留めします。

これで正面とクーラー結合面の金具装着はおしまいです。

これ以上やるとまたごちゃごちゃしてしまうので、

いろいろと付けたくてムズムズするのをこらえ、(~o~)

この程度の目立たない、金具のみの

取り付けだけにとどめました。
さてっいよいよクーラーとの合体です。

左のクーラーはダイワのGXU80ですが、

一昨年まで使っていたもので、久しく物置で寝させていた

改造クーラーの装備を全部ひっぱがし、ボックス製作の為の

相棒としました。

今春に発売されるダイワの投げ専用8リットルクーラーは

このクーラーと型そのものは同じで、こいつに合わせておけば

バッチリと合体出来るハズです。(^^)

クーラーとの平行具合もバッチリで、

先ずはクーラーとの結合部分は成功デス。

結合面を上から見下ろしたところです。

厚手の蝶番がシッカリとベルト穴に深く挿っているので、

容易には抜けず、何処かのクーラーに装備してある

スブールバッグのように少しの振動では

簡単に外れません。

引っ掛け金具が蝶番であることを生かし、

ボックスを斜めにして上に抜くと、

クーラーから外せますが、

通常持ち歩く程度の振動では簡単には抜けません。
クーラーと合体時の天面写真。

奥行きはクーラーより数ミリ短く、

横幅はかなり有りますが、

車載時は外せば場所も取りませんし

車横付けの砂浜なら合体させなくても

クーラーのみ肩からベルトで下げ、

ボックスは外して取っ手を持って

歩いて釣り場に移動する事も出来ます。
正面からの図。高さは大体クーラーの3分の2程度で、

通常砂浜に置いて、ボックスの底が砂に触れる事は

有りませんし、地面と接触して突き上げられてしまい、

勝手に外れる心配はまず無い高さです。

写真ではクーラーとボックスの

天面がまっすぐになっていませんが、

犬がクーラーにじゃれ付いて押しておりまして・・(^_^;)

「押すなゴルァ!!」と言いつつ撮影しております。(>_<)
クーラーとの結合が上手くいったら、

今度はクーラー結合面とは反対側に古いカバンから

ひっぺがしたポケットをネジ止めします。

ここには使用後の天秤やメゴチ挟、PE用ハサミなど、

「汚れ物」を入れる場所で、天秤などは重量もかさむので

四隅と真ん中あたりにもネジ止めし、ポケットの強度を

補強しておきました。
ポケットにPEカッター、メゴチ鋏と

使用前の天秤を挿してみました。

メゴチ鋏も移動時は内部に収納しますが、

釣りをしている時や帰宅時は内部に汚れを持ち込むので

外のポケットに納めます。

無粋なメゴチ鋏などはなるべく目立たないように

隠すのが、スッキリとさせるコツのようで・・(^_^;)


このポケットには使用後の足を折り曲げた状態の

天秤も仕舞います。
次はいよいよ内部の改造デス(^^)。

先ずはスプールホルダーですが、

これはステンレスの凸型金具を購入し、

写真のように5ミリ径のステンレスボルトとナットで

作ります。

金具の凹んだ部分には天秤の足が乗るので、

天秤の足がガタ付かないように

電線用フックを貼り付けます。
この金具を蓋の裏側に斜め45度にボルトで固定します。

金具の両側にはゴム製ロッドベルトをカットしたものを

これもボルト締めし、天秤ホルダーとします。
力糸ホルダーもボックスの蓋に取り付けますが、

これは力糸の端をつまみ出しやすいよう、また

天秤を取り出す時に邪魔にならないようにと

あらかじめ蝶番を蓋にネジ止めし、これを土台にして

装着しました。
力糸ホルダーとは対角の位置には、

明宝化学の小物ボックスを

これもステンレス蝶番を土台にしてネジ止めします。
各ホルダー類が取り付いたら

蓋への装備品装着開始デス。(^^)

愛用のトップガン33号は3本。

これは購入予定のクーラーに装備されている天秤ホルダーに

3本装着出来るので、予備として3本収納しました。

合計6本で、昨年1年でロストしたトップガンは3本

でしたので、これで十分かと・・(~o~)。

その気になれば、右上部のホルダーにも海藻天秤などは2本

収納可能ですが、重くなるので先ずはこの位にしておきました。

本来はジュラコン製のミニトップガンホルダー

内蔵させたかったのですが、上蓋のサイズが

天秤を斜めに収納してようやく収まる寸法であり、

どうしても収まりませんでした。(^_^;)
スプール装着金具にはADTさんの

Mg用スプールを対角線上に


2個。蝶ナットで装着します。

Mg用では最大の篭定釣具店さんの

青スプールも収納出来るように
少し余裕を持たせて

位置決めし、取り付けてあります。
力糸ホルダーには1つのスプールに

3本巻いてあるPE力糸を装着。


左下の小物入れにはパワースピードスイベルや

仕掛けの浮き上がり防止用ガン玉オモリ。

予備の蝶ナットなど、小物を入れます。

蝶番を活用したので、狭い蓋部分に

空いたスペースが少なく、コンパクトに


各装備品が収まりました。
天秤を取り出す時は力糸ホルダーと

小物入れをこのように展開し、


容易に取り出せるようにしました。

力糸巻取り時にもこのように展開してから行うと

糸の端をつまみやすく、

巻き取り作業がスムーズに行えます。
小物入れの中身も展開した状態で取り出します。

半透明の容器なので、このような小物でも

目減りするとすぐに判り、忘れ物の防止になります。
蓋部分を側面から見た様子デス(^^)。

蓋は垂直より少しだけ大きく開くので、

立てた状態で放っておいても

風で勝手に閉まる事はありません。

次に下部の収納部分にいろいろな装備品を納めます。

右から、予備のPE道糸。砂紋極上0.6号250メートル巻き。

サンラインのPE力糸4巻。フインガープロテクター。

左上の白い樹脂容器には


石粉を入れて収納。石粉容器の下側には

リールのメンテ用グリススプレーと

PE道糸コーティングスプレー。


左端にはダイワのピタツキハンガーを

ネジ止めし、そこには仕掛け巻きを挿入。


この仕掛け巻きにはハリストに糸を結んだ砂ズリを

10本程度巻いています。

背の高いメゴチ鋏も仕掛け巻きの隣に挿し、この位置なら


蓋に装着したスプールとぶつからずに収まります。
仕切り板の反対側にはオーナーの仕掛け巻きに巻いた

仕掛けが18巻収納出来ました。

内側に貼り付けてあるフエルトのお陰で

ガタ付きも出ず、且つ取り出し易いピッタリの

寸法で収まりました。(^^)

仕掛け巻きには4セットづつ仕掛けを巻いていますので、

合計72セットの仕掛けを収納している事になり、

長丁場の大会でも仕掛け切れの心配はありませんなっ。(~o~)

仕掛けは頻繁に出し入れするので、

収納スペースは一番手が入れ易い本体手前側にしました。
仕掛けは各種作っていますし、場所や時間帯、

キスの型や活性に応じて使い分けしますので、

使用頻度が高いと

思われるものをチョイスして

大会毎に入れ替える予定ですが、

何処にどの仕掛けを収納しているか一目で

判るように、インデックスシートを作り、

仕切り板に貼り付けました。(^^)

これだけの種類を持てば大概の釣り場で

対応出来るかなぁ・・?と、

いろいろと入れています。
  収納物の全体写真です。

全ての収納物が重ならず、

さっと取り出せますし、

隙間無く入れましたので

忘れ物が有ると隙間が出来るので

すぐに判ります。

これでキススペシャルクーラー製作の項

装着した装備品はキスカウンターを除いて

全て収納出来ました。

仕掛けはスピナーベイトワレット使用時

より2倍程度多く収納出来ましたし、

全ての装備品がクーラーの側面から消え、

ボックスの中にコンバクトにまとまりました。

最後の仕上げは、アルミ製ボックスなので

完全防錆の為に、呉工業のシールコート

全面にスプレーします。

このスプレーは防錆オイルと違い、

ベタ付かない薄い透明な

超強力防錆樹脂皮膜が

ボックス表面に固着し、長期間の防錆が

期待出来ますし、スベスベとした

ツヤも出て、お勧めです。


今回投げキューブに収めた小物全部です

釣り場でトラブルが連続しても耐えられる?

ように予備の小物を沢山入れています。

これでようやく外観はあまりゴチャゴチャせずに何とかまとまりました。

サイドボックスも作ってみると、雨の日でも各装備品が濡れませんし、紫外線が当たる事による糸などの退色も少ないし、

金属を腐食させる塩分を含んだ風や砂が金属スプールなどに直接あたりません。

小物がバラバラと落下する心配もありませんので、

「いろいろと手を加えてやるとメリットも有り使い勝手が良いものだなぁ・・」と見直しました。

今度また春が来たら、浜に持ち出して使ってみて、不具合な点は少しつづ改良してゆきたいと思っています。


さて・・購入予定のクーラーに装備してあるサイドボックスはどうするかなぁ・・?。投げキューブとは反対側に移動して

ゴミ入れ?はたまた使用後の天秤やメゴチ鋏など汚れ物入れにでもしますかなっ(~o~)。ではっまた・・・。