TOURNAMENT  MASTERISE Kisu

シロギス釣りの快感を堪能するダイワサーフロッドの頂点に立つ逸品誕生。
〜シロギスに魅せられし者達へ送るサミットモデル〜


っと言う売り文句でダイワ精工から2009年春に発表された

TOURNAMENT MASTERISE Kisu

この、「シロギス釣りの快感を堪能」と言う言葉にコロッと来た私は早速カタログを物色して眺め、

「いよいよダイワからキススペに匹敵、いやキススペを超えるロッドが発表になったな・・」と興味津々。

今まではキススペの感度、遠投性能に十分満足して使って来ましたが、「それを超えるかも知れない・・」なんて聞くと

もうじっとしていられなくなり、その竿がどのような性能なのか確かめたくて早速篭定釣具店さんに電話をし、発注。

当初は25号の砂紋バスターを投げるにも使い易い30号のHを発注しましたが、どうせならキススペのBX-+と同等ランクの

ものを購入して同一条件で使い分け、比較がしてみたくなり、33号のHタイプに変更。未だ発売前だったので

篭定釣具店の寺田さんが苦笑しつつ注文の変更を快諾してくださり、3月末の発売日まで1ヶ月近く待ちました。

その間、篭定釣具店の寺田さんから「今度新しい篭定オリジナルチタンガイドセットを作りましたので試して下さい」とメールを

頂き、「本当にいつもすみません・・」と恐縮しつつ新ガイドセットが出来上がるのを楽しみに待ちました。

また、リールシートもチタンのゴールドタイプを発注、「どうせならやれるだけの事をして良い竿に仕上げよう・・」と

ヘソクリ貯金をはたきまくり、銀行振り込みを済ませました。

そしていよいよ3月20日前後に竿が市場に流通をし始め、

親しくさせてもらっている投げ釣りサイトでも話題にされる事も多くなって来ました。

「いよいよ届くかな・・と思いつつ、待っているとまた寺田さんからメールで連絡が有り、「試作ガイドの仕上がりが遅れてまして・・

後10日程度お待ちください」と連絡が有り、「ハイッ楽しみに待ってますよ・・」とメールを返信していよいよ月末。

31日は代休がもらえ、前日になって寺田さんから「今日発送をしましたっ」と連絡が有ったので朝からワクワク・・。

しかし運送便が届くのはド田舎なので大概午後から、それも夕方近くになる事が多く気長に待ちます。しかし・・待ちながら

「竿とガイドが到着してもフィニッシィングモーターを貸したままだったわ・・」と自作の投げ竿専用フィニッシィングモーターを

返してもらうのを忘れていたのに気づき、ガッカリ。あのモーターは作成以来、皆の大人気アイテムとなり、

殆ど私の家に止まっていた事が無く、誰かが竿を購入するたびに又貸しの連続で引っ張りダコ(~o~)。

今は上ちゃん宅に有るのは判っていても往復するのに1時間半以上もかかりますし、

「新竿の購入を機にもう一台作るべ〜っ」と竿の到着を待ちつつまたお宅して工作タイムとなりました。

丁度親戚の大工さんが隣の実家の風呂と
トイレの改装に来られており、
「端材の板を下さい」と頼むと
「あいよっ」と長さ120センチ程度の
ぶ厚いヒノキ材の板を投げてくれましたので
ありがたく頂戴しました。(~o~)
これをフィニッシィングモーターの土台にして
製作の開始。
モーターは今回も
壊れたエアコンから取り外しておいた
風向羽の角度を変える
為に付いている
低回転の
ステッピングモーターを流用。

電源はAC100Vで60Hzの場合は1分間に
マッタリと10回転するやつです。

板の端には漏電ブレーカーを
取り付けました。

通常のスイッチでも構いませんが、
回しっ放しにするので知らない間に
モーターがショートや
漏電しても電気が遮断

されるので安全の為に付けています。
電源コードをブレーカーに配線し、
ブレーカーの隣にモーターを
取り付ける為の

板を取り付けます。
モーターを木ネジで固定します。
今日も寒いので焼酎を
あおりつつやると作業が

はかどりマス・・(^_^;)
次は竿を固定するチャツクを作ります。
水道管キャップの3センチ径のものを
流用して自作。真ん中に6ミリのドリルで
穴を開けます。
その穴に長さ70ミリ程度の
6ミリ径のボルトを

貫通させ、ナットで固定します。
キャップの側面から5ミリのドリルで
3箇所に穴を開けます。
そこに6ミリ径で長さ20ミリ程度の
蝶ボルトをネジを切りながら回して
閉め込みチャックが完成。
土台の板に柱を立てて
凸型の金具を木ネジで固定します。
金具にチャックのボルトを通し、
熱収縮チューブでモーターの軸とチャックの
ボルトを結合し、両端をインシュロックで
閉め込んで補強します。
竿受けは今回も台車用の樹脂製の
キャスターを使います。土台と同じ幅の板を
切り出し、2個取り付けます。
土台の板の端には薄めの板を
また大工さんから投げてもらい、
取り付けました。その板の間に先程作った
竿受け台を挟み込みます。
これで左右に20センチ程度
スライドが可能となり、

仮にガイドが竿受けの真上に来ても
竿受けを移動する事でガイドとの干渉を
避けながら回す事が出来ます。
これで投げ竿専用の
新フィニッシィングモーターの
完成ですが、全体写真を撮影していたら
またチビトラワンコが電源コードをかじって
遊び始めましたぁ・・(;O;)
前作よりもガッシリとした作りで
重い元竿もシッカリと回せそうです。
試運転をしていたら「ちわ〜っ」
といつもの運送
屋が
来て竿が届きました。(^_^)v

シッカリとした大き目のダンボールに入って
届きましたが以前の竿のように
両端にキャップの付いた樹脂製の筒は無く、
ダンボールだけの「簡易包装」
箱をあけるといきなり竿袋に入った竿が
出て来ました。
キススペのような立派な
樹脂製の竿ボックス
などは無く、
付属品は竿袋とロッドベルトのみ。
竿袋を開けると元竿が現れました。
MASTERISEが金でKISUが白のロゴ・・・で
かなり派手。
元竿と2番の先端には保護用の
アルミ製キャツプが差し込んで有り、
これを抜いて竿を継ぐように
なっていました。
穂先まで取り出してしげしげと眺めましたが
日陰では暗ら〜い色調で地味。
この塗装色には賛否両論があるようですが、
私は否・・・。
キスを模した色なのかもですが、
キスと言うより

アナゴやミミズに近い色で予想以上に
ワテの好みからすると「外れ」でした。
青空の下では「輝いて映える」
とのご意見もあるようですが、
私にはどうしても
幼少の頃にフナ釣りでエサに使っていた
ミミズが連想されてしまい
高級感は感じられません・・
早速キススペとの比較。
リールシートが取り付くあたりの太さは
ほぼ同等の太さ。
しかし竿を継いで持つと
ガイドが未だ付いていないのに
キススペに比べると
何だか重く感じられる竿ですなぁ・・
元竿の先端もほぼ同じ太さ。
但しキススペはカーボンテープが表面近くに
巻いてあり、波打っているのに対し、
マスタライズは内部にクロスカーボンが
仕込んであり、何処も同じ太さで
ツルンッとした感じ
取り敢えず素振りして「一寸重い・・」と
感じつつ

もストリップのままではどうにもならないので
早速リールシートから取り付け開始。
シート位置を決めて
ホログラムシールを巻き・・
チタンシートを巻糸で固定。
今回のスレッドは青。
キススペに巻いた時の巻糸が沢山残って
いたので流用しただけ。
ボヤッとした色調なので濃い色で
仕上げたほうが竿が締まって見えるかも・・・
と思いつつ巻き上げました。
これが篭定釣具店特製ガイドセットです。
未だプロトで未発表のものですが、
元ガイドが最大の特徴で、篭定釣具店の
寺田さんによると、
こだわり@ライントラブルを皆無にする。
こだわりAさらなる飛距離アップを目指す。
こだわりBライン放出時の音を無くす。
(放出抵抗をゼロに近づける。)
こだわりCラインの消耗を遅らせる。
(ラインが傷つかないようにする。)
こだわりDロッドの曲がりを阻害しない。
等々、のこだわりの実現を
目指してきました。

との事。

後日詳細はUPの予定ですが
開発に投げては作り直し・・の
繰り返しで2年余りを要したそうです。
一番の特徴はダブルSICリングの元ガイド。
チタン製で開発に2年を要したそうで、
飛距離、糸絡み共にようやく
今回満足のいく

ものが出来たそうです。
2番から穂先まではT−NSGと呼ばれる
オーシャンタイプで
16、12、8、6ミリ径のセット。

トップはローライダーと似た
オーシャンタイプで全てチタン製。
元竿のシートを固定してウレタンで
コーティングし、
フィニッシィングモーターで乾燥

させている間に元ガイドも取り付けました。
取り付け位置はシートも
ガイドもほぼキススペと

同等の位置に取り付けました。
ちなみにスパイン出しは
キススペはなかなか

判らなかったのに対し、
私の竿だけかもですが、マスタライズは
かなりハッキリしたスパインが存在し、
容易に判明し、角度によってかなり硬さに
差が有りました。
オーシャンタイプのガイドを
使うのは私は始めてですが、
ローライダー同様に背が低く、
とても軽くて全体の大きさの割には
ローライダーよりも作りが頑丈且つ
リングが大きい構造で気に入りました。
篭定さんによると、通常は2本足側を
シート側に取り付けるのですが、
篭定釣具店の寺田さんに
投げ竿の場合は逆にして取り付けるほうが
糸絡みが少ないと聞き、私も
穂先の一番下のガイドはそのように
取り付けました。
って事で今夜はモーターとエアコンに
仕事をさせつつ
乾燥待ち・・
明晩は2番と穂先のコーティング、
乾燥工程に入ります。
一夜明けて翌日、上ちゃん宅から
久しぶりに(~o~)旧フィニィッシィングモーターを
返還してもらい、2台フル稼働で
エポキシコーティングの乾燥中。
エアコンをフルパワーにして約6時間程度で
ほぼエポキシが硬化します。
このモーターは竿受けがローラーなので
竿が傷付く事は殆ど有りませんが、
念のために竿にテープを巻いて
保護しています。
何かの振動(私の場合は寝ぼけた娘が
蹴り飛ばす位ですが)
竿がローラーから脱輪しないよう、
ステンレスパイプで脱落防止用のガイドも
取り付けました。
乾燥運転開始後約6時間でエポキシが硬化。
以前はウレタンでやった事もありましたが、
2液性の混合タイプのエポキシを使うと
簡単に厚盛仕上げとなり、
ヒビ割れも少ないので近年は専ら
エポキシでガイドを取り付けています。
この竿のデザインの特徴である
元竿のトップ付近にある無塗装で
ロゴが入れてある部分からは
3Dクロスカーボンが見えます。
精悍で玄人好みな感じがして
全部無塗装でも
ワテ的には大歓迎なのだけと・・。(~o~)
めでたく3日間でガイドも取り付き、
4月4日に投げられる状態となり・・
北陸からごり3さんも来られて試投会。
1投目、軽く振り込み感触を味わいます。
「あっ振り易いなぁ・・」と思った瞬間、
あまり力まずに投げたのに
スルスルッと7色目まで糸が出て
「オモリの伸びが凄い・・」が
第一印象。篭定さん特製のガイドの性能も
手伝ってか軽く振って
楽に飛ばせる竿の印象。
「もっと硬い」先入観が有ったのですが、
キススペの振り込んでいる最中に突然
強烈な反発が起こる事はこの竿では
無くて何だかマイルドに感じる反発ですが、
竿全体でオモリを弾き飛ばしてグングンと
飛距離が伸びる印象で
振り易い・・・
ごり3さんの35号も振らせてもらいましたが、
35号の豪竿の割りに印象は同様で
33号Hよりも少し硬い程度。
33号Hはスパッと振り切れるのに
35号はそこからもう一
押し出来る印象でした。
逆にごり3さんに私の33号Hを振って
もらいましたが、「あっよりマイルドで
35号よりも軽いし投げ易い・・
とどちらの特性も気に入られた様子。
持った感じはキススペよりも持ち重りが
しますが、いわゆる「クセ」が無くて
誰にでも振込み易い印象で
その後上ちゃんやあつしさんも
振っていましたが、「キススペのような
手を焼くような急激な
反発が少ないわぁ・・」と
好印象。キススペよりもはるかに胴調子で
2番をグイッと曲げてやれば
ポーンとオモリが飛び出す
感じでした。その割りに
竿先のブレは少なくて
収束も早く、この扱い易さ、
コントロール性の良さは
多くの投げ釣り師に
受け入れられると思います。
「これで無塗装だったら
売れるよこれは・・(~o~)」
が皆の印象で、私も同感でした。
次はアタリの出方の印象。天橋立で
17センチ程度の中型キスを
4色で掛けましたが
深い場所でキスの活性が低い時期なのに
シッカリとアタリを捕らえて穂先が振動。
その振動が殆ど減衰する事無く
リールシートまで
伝わって来る印象で誰でもその高感度を
体感出来る素晴らしい伝達性能です。
キススペの超高感度の穂先で得られる
まるで海底の様子を見透かすような
細かいニュアンスまで伝わって来る
例えれば海底の小石に
オモリが少し触れても「コチッ」と穂先が反応
したり、カケアガリの背肩に力糸が
擦れているのまでが判る
鋭敏さに比べると、やや大掴みなアタリの
出方をするようですが、一旦捕らえたアタリの
振動を殆ど殺す事無く手元まで伝える
伝達力はマスタライズのほうが
優れているかも知れません。
逆に砂紋のトップを
オモリが超える際の穂先の跳ね返りは
穏やかで、スムーズに引き易く、
キススペに比べると穂先の動きが
ややフワフワした感触で滑らかな
動きをします。
この程度以下のキスのアタリの捉え方に
関しては遠距離、近距離共に
ややキススペに軍配があがり、
キスの匹数のカウントも容易。
対してマスタライズはこの程度のキスでは
かなり神経を尖らせていないと
何匹付いているのかが、特に低活性の
時期は少し判り辛いかも
知れません。
このあたりの微妙なアタリの捉え方の差は
僅かで、もうこのレベルになると
好みの範疇ですが、
私的には渋い時に確実にキスを1匹つづ
釣ったり、夏場に波口や1色程度で
探るような釣りをするにはキススペが勝り、
中距離以上で15センチ以上のキスを連で
掛けるような高活性期には
マスタライズが扱い易くて
楽に遠投も利くので
優れていると思いますが・・

これはあくまでも私のガイドセッティングや使っているオモリの形状や号数、仕掛けにも
左右されますので、一概には言い切れません。もちろんこの感想はキススペBX-+とマスタライズキス33号Hでの比較であり、
他の号数ではもちろん評価が逆転したりすると思います。
今後暫くは使い続けていろんな場面、条件下でキススペと比較しつつ検討し、釣り場や条件に応じて竿をチョイスしながら、
使い分けられたらと思っています。
って事で竿が到着して試し投げ、初釣りまでのインプレはここまでです。今後もいろんな釣り場や時期に2本を持ち出して
特徴を探ってゆこうと思っています。
ではっおやすみなさい・・(-_-)zzz