固定式天秤考察

下の写真は私たちが現在キスの数釣りで使用している固定式天秤で
上から順に海草天秤、海草天秤改、ロケット天秤、エルキャッチ、熊本天秤です。

天秤スペック (全て30号)

種類

足の長さ(道糸側)

足の長さ(仕掛側)

オモリ部分の長さ

オモリ部分の直径

海草天秤

125ミリ

125ミリ

75ミリ

17ミリ

海草天秤

145ミリ

145ミリ

82ミリ

17ミリ

ロケット天秤

158ミリ

158ミリ

86ミリ

16ミリ(長辺)
15ミリ(短辺)

エルキャッチ

175ミリ

170ミリ

67ミリ

19ミリ

熊本天秤

177ミリ

171ミリ

69ミリ

20ミリ(長辺)
17ミリ(短辺)

オモリの前頭形状写真

各種天秤の特徴と使用感、使い分け

@ 海草天秤
富士工業のベストセラー天秤で、この天秤の愛用者は多い。
短足と足の径の細さにより空気抵抗が少なく、特に飛距離を重要視する関東方面の
キャスターに重宝がられている。向かい風にも強く、飛距離の落ちは少ない。
針数5本以内のど遠投に向くが、全長4メートル近い10本針シカケを投げるとなると
短足が災いして絡みが増える。
また、足が細めのため、そのバネ効果が若干弱く、アタリは少し殺す傾向であり
投げた時に曲げた足の開いた角度が戻されて鋭角気味となり、更に絡みが増えるため、
予め120度程度に大きく開いて使用すると良い。
着水音は小さめで上部のプラスチックの帽子により、重心がオモリの先に有り、
引きやすいため小型キスを近投で狙う場合にも使用する。
但し、天秤の足がナマリの中で曲げて固定してある構造のため、AXなどの硬い竿で
一気に振る投げ方をするとその大きな力でナマリの中で足の曲げ部分が伸びてしまい、
1センチ近く伸びてしまうことがあり、その場合は曲げなおす必要がある。加えて投げた時
先端に開いた穴に高速で空気が流れ込み、草笛の効果でピーと音を出す事がある。
価格は最も高額の部類に入り、3本で市場価格600円程度。

A 海草天秤改
私が改造した天秤で、改造方法はタックル改造のページを参照してください。
尖った前頭形状による空気抵抗と着水音の少なさと、足を20ミリ長くしてある関係で
絡み防止を図ってあります。但し天秤の足径は元のままで長いためバネ効果は更に
弱く、アタリは弱く感じます。この天秤も使用前に広角に足を開いて
おかないと絡みが増えるので注意が必要です。

B ロケット天秤
香川県のタカタ社製の固定式天秤でオモリ部分は長く、径は細くスリムな感じの天秤です。
足はここで紹介しているものの中で最も太く、エルキャッチの遊動式天秤なみである。
足の長さは海草とエルキャッチの中間で遠投性能は海草天秤改と同等か?
足のバネが強く、アタリは大きく感じる。 若干オモリの重心が上の方にある関係で
横風の強い時などは安定性に欠け、ジクザクの飛行曲線で飛んだり、風下に押されやすい。
着水音は最も小さく、引くと軽く感じる。 7本程度のシカケを5色付近に投げて早めの
サビキでキスを狙う時に使いやすい。価格は最も安く3本で市場価格380円程度です。

C 北海道のフジワラ社製の天秤でDの熊本天秤と良くにているが、オモリの断面は
ほぼ真円に近い。重心は熊本天秤より先の方に設定してあり、飛行時も安定してブレが
少ない。足は長く径も太めでバネ効果が強く飛行中に曲げ戻されにくく、直角に曲げて
使用しても絡みは少ない。アタリは強めに伝え、かかりも良い。
6色以内で針数の多い長めのシカケを使うときに良く使用する。
但し着水音は大きめで近投時は軽い号数を使うほうが無難です。
ナマリの径が大きめなので向かい風には影響を受けやすい。
市場価格は値下がり気味で3本で450円程度、ムク仕様なら更に安く390円位とお得です。

D 熊本天秤
熊本氏が長年の改良を重ねて完成させた数釣り天秤の逸品。
関西方面の特定の釣具店で販売されており、価格はまちまちだが大体3本400円程度です。
エルキャッチの基礎となった天秤と思えるほど良くにているが、オモリ部分の断面は扁平で
羽のように見える部分の造形はなめらかな曲線を描き、丁寧な手作りの味のよさがある。
足の太さ、長さはエルキャッチと同等だがステンレス線の材質が固めで剛性が高い。
アタリは最も大きく感じ、かかりも良いが、足を何回も曲げ戻すと折れる事が多いので
注意して下さい。在庫数に限りがあるのでむやみに使っていませんが、向かい風には
若干影響を受け、横方向に流されやすい事がある位で海底では常に天秤のシカケ側の足
が立ち、砂紋の抵抗を受けにくく、引きやすい。遠投性、着水音の小ささ等各性能も高く
ほぼオールマイティーに使える。
但し、色は赤のみ。薄めの塗装なので砂との摩擦により暫く使用すると剥げてムクとなる。

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