京都府北部のカレイ釣り

丹後、若狭地域のカレイ釣り概況。

私が住んでいる京都府の北部地域、丹後半島や若狭湾でのカレイ釣りの概況ですが、

日本海側で有名なカレイ釣り場である山陰の弓ヶ浜や境水道、そして北陸の波松海岸等に比べて

有名な釣り場が少なく、その中間にあたる地域で、京阪神から近いにも拘らず、

カレイ釣りに訪れる釣り人は少なく、釣果情報が殆ど聞かれないのが現状でした。 

情報が少ないから余計に訪れる人が少なく、

釣り場はいつも空いており、それなりに準備をして本格的に狙うと型も数も他の日本海側の

釣り場と遜色無い釣果が得られるのに、以前からカレイの「真空地帯」だったのは、

高速道路の開通が遅かった等、当地方へのアクセスの悪さや、冬の積雪も問題となって

いたようです。しかし近年、舞鶴道や京都縦貫道、播但道など、北近畿への高速道路網も

整備され、来春には舞鶴道も福井県小浜市まで、そして京都縦貫道も丹後半島の付け根である

宮津市まで延伸されます。最近の暖冬傾向で雪も少なくなっており、

一部峠道を除いては除雪も行き届き、アクセスも良くなっております。

12月は冬用タイヤなど雪道対策が必要ですが、12月の乗っ込み期や3月以降の

花見カレイの季節は殆ど雪も無く、他の日本海側の地域と比べて、

京阪神から近くて便利な釣り場になりつつあり、冬型の気圧配置の日を避けて釣行されれば、

混み合う事が無い、広々とした釣り場でカレイ釣りを楽しめます。

更に、山陰や北陸の釣り場は外海に面した釣り場が多く、一旦海が荒れると逃げ場が少ない

釣り場が多いですが、北近畿では丹後半島が北西からの季節風を遮ってくれ、

海が大荒れとなっても、若狭湾の中なら波も弱く、若狭湾から更に入り組んでいる

宮津湾や栗田湾などは、周年波立つ事の無い、穏やかな釣り場が多く有ります。

風が強い日でも、山に囲まれた釣り場を選べば風裏となり、どこかで竿を出せるのも強みです。

次に、最近の北近畿で釣れるカレイの種類と釣期ですが、カレイ乗っ込みは例年11月下旬からであり

瀬戸内よりかなり遅れて釣れ始めます。 

先ずイシガレイが丹後半島や但馬海岸の外海に面した砂浜や

大きな漁港の防波堤、周囲が砂地である磯などから釣れ始めます。

12月中旬にはマコガレイも丹後半島や但馬海岸の大きな漁港の中や湾口で姿を見せてくれます。

この乗っ込み期は抱卵した大型が多く、イシガレイは40センチ級、

マコガレイも35センチ程度のものが多く、20センチ以下の小型は殆ど釣れません。

シーズン初期の頃は未だ雪も少なく、海も比較的穏やかなので、丹後半島での竿出しが可能な日が多く、

一発狙いが面白い時期で、数は出ませんが、過去の実績を信じて釣り場に通い、じっくり粘れば

毎年40センチ級が姿を見せてくれます。逆に海が穏やかな若狭湾では年内は殆ど期待出来ず、

30センチ程度の中型が湾に流れ込む川の河口周辺で、単発で釣れる程度です。

よって外海の波が高く、湾内が穏やかな日は、宮津湾や栗田湾周辺の砂浜で

落ちギス釣りをするほうが楽しめる時期でもあります。

そして年が明け、雪の日が多くなり、外海では波の花が舞う季節となると、丹後半島で竿出し出来る日は

少なくなり、若狭湾内でマガレイやイシガレイの中型が釣れ始めます。

由良川河口など、大きな川の近くではイシガレイの中小型が多く釣れますし、

宮津湾、栗田湾ではマガレイの30センチ級が、コンスタントに釣れる時期で、

風の弱い場所を選んで、のんびりと日光浴をしつつ、カレイ釣りを楽しむ人も増えつつあります。

そして3月ともなれば、また海況が落ち着く日が多くなり、

乗っ込み期同様に丹後半島で良型カレイを狙える日が多くなります。

春は40センチを越えるサイズは少なくなりますが、イシガレイの35センチ級なら

まとまって釣れる日も有り、大きな漁港や足場の良い磯から潮当たりの良い砂地を狙えば

面白い釣りが出来ます。イシガレイは秋から春まで、満遍なく釣れますが、マコガレイは産卵後暫く

沖に出るようで、4月頃に花見カレイとしてまた接岸し、5月の頃がピークとなり、花見のマコガレイは

小さな漁港の中や、湾の中など、比較的波が穏やかな場所で良く釣れます。

マガレイは乗っ込みが一番遅く、釣れ出すのは1月中旬からとなり、これはイシガレイやマコガレイが

きれいな砂地を好むのとは対照的に泥混じりの場所で釣れる事が多く、釣り場は湾の奥まった場所が

殆どで、波立つ事の無い、潮の流れが弱い場所を好み、漁港の荷揚げ場など、

こぼれエサの多い場所で集中して釣れます。アサリの漁場で漁師さんがアサリを掘った後にも

好んで集まり、このような場所をチェックしておくと、入れ食いを楽しめる日も有るほどで、

イシガレイやマコガレイが自然のエサを活発に追っているのとは対照的に、

人間が生み出すエサを頼りに接岸しているようなカレイでもあります。

マガレイはマコガレイと酷似しているカレイですが、釣り場は全く違いますので、

マコガレイとマガレイを混同しているような情報を聞いた時には注意が必要です。

私の実績はイシガレイの43センチ、マコガレイの36センチ、マガレイの38センチですが、

ここ数年での釣友や全日本サーフの会員の実績は確実に増えつつ有り、

イシガレイの53センチ、マコガレイの43センチ、マガレイの42センチ等、

多くの大型カレイが釣られております。

今まではカレイの「真空地帯」でしたが、訪れる人が少しずつ増えるにつれ、

情報も次第に多くなり、天候に合わせて釣り場を選べ、安全な釣り場も多く、

竿さえ出せば、北陸や山陰と遜色無い、カレイ釣りに適した地域だと確信出来るようになりました。

更に、瀬戸内とは違い、エサ取りのカワハギやフグも少ない釣り場が殆どで、

少ないエサで一日を楽しめますし、潮流も弱い場所が殆どで、オマツリや根がかりも殆ど無く、

広い釣り場でカレイのみに集中してじっくり腰を据えてアタリを待てます。

このように、初心者からベテランまで楽しめる釣り場が多くありますし、

駐車場所なども困る事は少なく、今後はもっと多くの

カレイ釣り師が来られ、実績も増える事を期待しているところです。

次にここ数年の実績写真です。

但馬、竹野大波止で釣れた42センチのイシガレイ

今年3月17日に網野町夕日ヶ浦で釣れた36センチのイシガレイ

2003年春には網野町夕日ヶ浦でマコとイシが連発!!

2002年3月9日に但馬豊岡サーフの嶋氏が夕日ヶ浦で釣られたイシガレイとアイナメの38センチ


次に

丹後、若狭地域におけるカレイの狙い方

ですが、先ず道具から説明しますと、竿は堅くて先調子のものが使いやすく、

季節風が強い地域なので、柔らかな竿や胴調子の竿は

風に竿先があおられてアタリが取り辛くなります。

ある程度遠投する釣り場が多いので、錘負荷が30号程度で軽くて反発力が強いカーボン振り出し竿

が使い易いと思います。

リールは大口径のスプールが付いた投げ専用リールが遠投もきき有利で、

道糸も遠投性を重視する事と風の影響を避ける為に細めとし、

感度の良さからPEの1.5号〜2号程度としています。

そして力糸として先端にナイロンの4号から12号に太くなる

テーパーラインを結んでいます。 潮流は緩く、錘が流される事は殆ど無い釣り場ばかりですが、

錘も30号程度と重めにし、糸ふけを取りやすくする事でカレイの小さな

アタリも見逃しにくいようにしています。

次に実際のカレイの狙い方ですが、

これはカレイの種類や大きさによってかなり差が有り、

先ず大型のイシガレイの釣り場と狙い方ですが

日本海側の釣り場は潮位差が少なく、潮流も弱い釣り場が多いので、イシガレイのポイントとされる

潮目や潮の反流点などもはっきりしない釣り場が殆どです。それでも大型イシガレイは潮が良く通る

エサの集まりやすい場所に多く、出来るだけ岬や突堤、磯場の先端部分など

潮が良く通る、きれいな砂地でカケアガリや深みなど、変化のある場所を選びます。

エサは動きの良いアオイソメの房掛けに最も実績が有り、マムシでの実績は少ないです。

大型狙いにはユムシも良く、いずれも大きなエサに

カレイ針15号程度と大針で大型イシガレイを狙います。

仕掛けも太めでモトスはフロロカーボンの8号程度、ハリスも5号以上とし、

波で多少底ウネリが有っても張りが有る、天秤や道糸に絡みにくい仕掛けを使うようにしています。

しかし、沖から大きなうねりが押し寄せる時には

太仕掛けでも絡む事が多くなりますので、そのような時には先オモリ式の仕掛けも準備しています。

イシガレイは動くエサに敏感に反応を示し、過去私が釣ったイシガレイも

多くの場合は仕掛けを引いて移動している最中や、

投入直後の糸ふけを取っている最中にアタリが出て、釣れています。

よってイシガレイを釣る時は頻繁に仕掛けを引き、投げ返しも早めにして、なるべく仕掛けを

動かす事でイシガレイを誘うようにしています。

また、イシガレイは一箇所に群れで生息している事は少なく、カケアガリや深みに沿って広く

散らばっている傾向にありますので、真正面の一点のみに投げて待つのでは無く、

手前まで仕掛けを引いて探ると共に、扇状に投げ分けて

イシガレイを積極的に迎えに行くような釣りを心掛けます。

従って竿数は2本程度と少なめで、交互に少しずつさびくので、結構忙しい釣りに

なりますが、静止しているエサにはイシガレイは興味が薄いようなので、

寒さ対策も兼ねて、他のカレイを狙う時より動きの激しい釣りをしています。

イシガレイの時合いは殆ど7時から9時までの朝まずめと日没直後から7時頃までである事が多く、

日中は潮目がはっきりと出る大潮の日以外は余り期待出来ません。

次にマコガレイの狙い方ですが、マコガレイはイシガレイと違って余り大きな波が打ち寄せる場所には

少なく、外海に面した小さな湾の中や、漁港の防波堤の近くがポイントとなります。

潮流の流れ方や潮目はイシガレイほど考慮する必要はありませんが、マコガレイもきれいな砂地を好み、

泥底には少なく、砂地に藻場が点在するような場所が良いポイントとなります。

エサはマムシとアオイソメに実績が有り、ユムシは良くないようです。

波が弱い場所を狙うので、仕掛けもイシガレイのものよりは細めで

モトスは5号程度、ハリスは3号程度とし、カレイ針の13号程度で良く、波が弱いポイントで釣る

場合が多く、底ウネリの影響を受けやすい飾り物も多めに付ける事が可能で、

仕掛けを沢山のビーズやパイプ等で目立たせるのも効果的です。

マコガレイも動く物に興味を示しますが、ポイントが狭いので、余り頻繁に仕掛けを

引くとすぐにポイントから仕掛けがずれてしまいますので、仕掛けを浮かせるような

飾り物を取り付けて、カレイを誘うようにしています。

マコガレイは有る程度群れをなしており、漁港のイケス周りや藻場など、

エサが多いと思える場所を見定めてそこに仕掛けを集めるように投げ込み、

数分に一回、聞きを入れるつもりで誘う程度で良いと思います。

よって竿数は3本程度で腰をすえて時合いまで待ち、釣るスタイルとなります。

マコガレイは毎年同じ場所で釣れる事が多く、ポイントは限られていますので、

過去の実績場重視でじっくり粘る釣りとなります。

マコガレイの時合いは昼前後と夕まづめ時になる事が多いですが、夜でも活発にエサを追うようで

真夜中に良型が釣れた事も有ります。

次にマガレイの狙い方ですが、

マガレイは内湾性のカレイで、波が打ち寄せるような場所には生息していません。

波静かな湾奥のカケアガリや深みがポイントとなり、海底が泥混じりでアサリやヒトデなどが

生息しているような場所を好み、殆ど流れの無い、小さな漁港の荷揚げ場にもエサを求めて多く

集まって来ます。型は一部の場所を除いて大きくても35センチ程度、殆ど30センチ以下の

場合が多く、仕掛けもモトス4号、ハリス2.5号程度で針もカレイ針12号程度で十分です。

この程度細めだと乗っ込み時期に釣れる落ちギスの群れにも対応出来ますし、

内湾のみの釣りなので、波やうねりを考慮した太い仕掛けは必要では有りません。

エサはマムシが一番で、次にイシゴカイの房がけにも良く釣れて来ます。

ユムシも小さなものは食って来ますが、アオイソメでは少し食いが落ちます。

ポイントは港内の荷揚げ場やアサリ漁場の近く、湾奥の藻場やカケアガリで

遠投を強いられる釣り場は少なく、ちょい投げで楽しめる場所も多くあります。

しかしマガレイが好む流れの弱い泥混じりの海底には北近畿名物のウミケムシがとても多く、

ほんの2〜3分も仕掛けを動かさずに放っておくと、ほぼ100%の確率で

食い付かれてしまい、ケムシを外すのに毒針に注意せねばなりません。

ケムシが食っている仕掛けにカレイは釣れませんので、

このカレイを狙う時もイシガレイ釣りの時と違う意味ですが、頻繁に仕掛けを動かす必要があります。

マガレイの時合いは他のカレイに比べてはっきりしておらず、一日中ぼつぼつと食い続ける事も

有りますが、夕方の日が落ちる前後が一番良く釣れるようです。

カレイ仕掛け図(イシガレイ用)


波が高い時に使う先オモリ仕掛け。

北近畿のカレイ釣りポイントガイド

丹後半島の大型イシガレイ、良型マコガレイのポイント

京都府竹野郡網野町夕日ヶ浦

釣り場写真

石碑下の岩場

つなぎ鼻

丹後半島で最も大型イシガレイの実績が高い網野町の夕日ヶ浦です。

ここは広い浜詰海水浴場の東端に有り、水深は3〜5メートル程度と浅めですが

海水浴場側から流れて来る潮がこの岩場にぶつかり、複雑な潮の流れが起き、カレイのポイントを

形成しています。

12月初旬からイシガレイの40センチ級が乗っ込み、最大は53センチも記録されています。

1月からは灯台の有る防波堤の内側でマコガレイも釣れ、これも35センチ程度と良型カレイが

多い釣り場で、20センチ以下は殆ど釣れない「一発場」です。

春も良く、乗っ込み期ほど大型は出ませんが、イシガレイの35センチ級がまとまって釣れる日も有ります。

5月の花見ガレイの時期にはマコガレイも肉厚を取り戻し、30センチ級が揃います。

時合いは早朝暗い内から9時頃までと、日没前後1時間になる事が多く、日中は余り期待出来ませんが

潮が岩場の近くを流れ、潮目が出来ると、バタバタと釣れる事が有ります。

一番のポイントは石碑下の岩場とつなぎ鼻と呼ばれる突き出した岩場ですが、

いずれも見た目より足場は良く、足元から深くなっているので取り込みは容易で

一部シモリ帯の有る場所を除いて20メートルも投げれば砂地で根がかりも少なく、

外道も少ないのでじっくりと一発を狙える大物場です。 

外海に面しているので季節風が強くて波が高い日は釣行不可となりますが、

駐車場は近くにありますし、漁港入り口にはトイレも有り、

好天で凪の日にはぜひとも狙ってみたい釣り場です。

京都府竹野郡丹後町砂方のワニガブチ磯

磯の先端部

磯全景

ここも大型イシガレイ、良型マコガレイが良く釣れる丹後町砂方のワニガブチ磯です。

名前のとうり、ワニの背のようなゴツゴツした長い岩場が海に突き出しており、

国道から100メートル程度地道を歩いて降りるとこの岩場に出られます。

周囲は100メートル程の大きな磯で、ここも見た目より足場は良く、足元から深いのですが

ほんの20メートルも投げれば砂地となり、西側のシモリ帯を避ければ根がかりも有りません。

先端からの沖向きに投げて40センチ級の大型イシガレイ、磯の右側面の近投で35センチ級の

マコガレイが釣れます。

水深は足元が最も深く、6メートル程度で、遠投すると3〜4メートルと若干浅くなります。

従って遠投する必要は無く、扇状に投げ分けて手前のカケアガリを丹念に探ります。

磯の際まで仕掛けを引き寄せると40センチ級のアイナメも望めます。カレイ、アイナメ共に

磯釣り師の撒き餌に寄って来ている事もあり、磯釣り師の釣り座からチョイ投げで

カレイ、アイナメが連発する事も有ります。

初冬には落ちギスやスズキも回遊しますし、ヒラメ、チヌ、マゴチなど大型他魚も多く、

カレイに限らずここも一発狙い場です。時合いはやはり早朝か日没前後となり、

潮が磯の西側にぶつかり、先端で巻き込んで足元に潮目が出来る時が最も期待出来ます。

難点は季節風に弱い事で、真北に面しており、大波が直接ぶつかる磯ですので、好天、凪の日を選ぶ必要が

ありますが、真冬を除いて初冬や春はチャンスも有り、竿さえ出せれば大型カレイの釣れる確率は

とても高い磯です。

次に、季節風が吹き荒れてもカレイ釣りが楽しめる

若狭湾内のマコガレイ、マガレイのポイント

を御紹介します。

京都府宮津市江尻



宮津市の江尻漁港周辺は天橋立の付け根部分になり、北と西に山が有るため、北西からの季節風を

この山が遮ってくれ、宮津湾の中なので波も穏やかな、安全な釣り場となっています。

写真のように江尻漁港の大波止から天橋立にかけて何本もの石波止が有り、

この大波止や石波止の先端から沖向きに投げるとマガレイやマコガレイ、時にはイシガレイの良型も

釣れる、荒天時の逃げ場と言うにはもったい無いような釣り場となっています。

足元から100メートル程度までは藻が繁茂している場所が多く、藻の間の砂地でマコガレイとマガレイ、

100メートル以上先まで遠投してその先に有るカケアガリでイシガレイが釣れます。

近投の藻場狙いは砂地に仕掛けを入れるのにコントロールを要求されますが、

例えポイントを外して藻場の真ん中に仕掛けが入ってしまっても、

アイナメの30センチ級がその藻の中には隠れており、

そのようなアイナメばかり40匹も釣った事もあるので、どちらも狙うつもりでそのままアタリを

待つような釣りが良いと思います。藻はアマモと呼ばれる草で言えば「ススキ」のような藻ですので

ゆっくり引けば抜けて根がかりは有りません。

しかし、ここは北西からの追い風を利用して遠投し、沖のカケアガリ狙いが面白く、手前の藻場狙いより

確実にカレイの型は良くなります。

遠投して沖の深場を狙う時の難点はウミケムシが多い事で、これは少しずつ仕掛けを引いて

食い付かれるのを防ぐしかありませんが、仕掛けを動かす事でカレイを誘うメリットも有り、

竿数は少なめにして、頻繁に誘いをかける釣り方が良いと思います。

京都府舞鶴市野原漁港

漁港防波堤

防波堤から撮影した漁港荷揚げ場

舞鶴市の野原漁港は若狭湾の中に突き出した大浦半島の先端部に有ります。

小さな野原湾の奥に有る漁港ですが、水深が有り、防波堤は足元から7メートル程度の深さが

有ります。足元から砂地ですが、漁港特有の係船用のロープが点在し、投げ釣りには

コントロールが要求されます。釣り場は漁港の防波堤と荷揚げ場となり、どちらも港内向けが

カレイのポイントとなり、防波堤から沖向きではカレイは殆ど期待出来ません。

理由はここに集まるカレイが波静かな場所を好むマガレイが多い事と、漁港からこぼれる小魚などに

カレイが寄っているからで、特に漁港に小さなイワシやホタルイカが荷揚げされた後などは

多くのマガレイが集まって来ます。過去には防波堤から竿を出し半日で3人が最大42センチ以下

30センチオーバーばかりを30枚も釣り上げた経験も有り、

漁港が大漁で活況を呈している時ほどこぼれ餌も多く、カレイの寄りが期待出来る釣り場です。

若狭湾のマガレイはせいぜい30センチ程度が多いのですが、

ここは例外で、過去には40センチ級が多数釣れており、初冬には単発ながらイシガレイも釣れます。

但し良型マガレイの釣期は短く、大体1月中旬から3月初旬までとなります。

天気予報の波予報で2メートル程度なら港内は穏やかで釣りが可能ですが、4メートル以上の予報が

出ると大波が防波堤を超えてしまう事も有り、そのような時は荷揚げ場からのみ、竿が出せます。

概して外海が荒れている時のほうがカレイは多く港内に集まって来るようで、ベタ凪の日は食いが落ちます。

時合いはここも早朝から9時頃までと日没前が良いようで、日没後は極端にカレイの食いは落ちます。

尚、年内は落ちギスの27〜30センチと大型が揃い、大きなカレイ針を飲み込むようなキスも

港内の波静かなポイントに群れていますので、乗っ込みのイシガレイと大型キスのどちらも狙える

場所でもあります。

以上、京都府北部の投げでのカレイ釣りを御紹介しました。

今年はことのほか早く季節風が吹き出し、海が荒れる日が多いですが、北西側に山を背負った釣り場や

若狭湾内では竿出しも可能ですし、一旦凪ともなればやはり丹後半島で一発狙いが楽しい時期です。

水深の有る場所では大型の落ちギスも併せて狙える場所も多く、これも当地方の地形のお陰と感謝しつつ

カレイ釣りを楽しんでおります。御紹介した釣り場はごく一部でまだまだ沢山の特徴有る釣り場が多く、

単調な海岸が続く山陰や北陸の釣り場と違った個性的なカレイ釣り場が当地には沢山あります。

釣り場に合わせて釣り方や仕掛けを少し工夫しなければなりませんが、季節風や波に逆らわず、

臨機応変に釣り場を選び、そこに居るカレイの種類に合わせた釣り方で攻めれば、必ずカレイは釣れて

くれると思いますし、それが何よりも大切な安全で楽しい釣りをするための前提となります。

冬場は釣り場も空いており、カニ料理、温泉と寒い冬でも暖かく楽しめる観光スポットも沢山有ります。

京阪神から近い京都府北部に沢山の釣り師が御来釣される事をお待ちしています。