2011年春、大阪フイッシィングショーで見聞し、最も気になったのがこのリール。キススペMgの後継機種であり、

シマノが最軽量を狙って開発した新製品であるキススペシャルコンペエディションが4月になって販売開始となりました。

前作のMgは他社の軽量リールに比べて地味なデザインで、その一寸保守的にさえ感じる作りはシンプル且つ信頼性が高く、

私も2年使い倒しましたが、ノントラブル、殆どノーメンテで酷使しましたが、故障もせず・・と価格比高級感は薄かったけど、

完成度と信頼性が高い、安心して使えるキス専用リールでした。

そのMgをベースとして業界最軽量を狙って発売されたのがコンペエディションですが、ベアリング数やボディーデザインなどの基本的な

メカは殆どMgと共通であり、スプールも共用可能。重量はMg比35グラム軽くなって、他社の最軽量リールを5グラムだけしのいで

業界最軽量のキス専用投げリールとなりました。

シマノによると、スプールや各部の素材を軽い物に置き換えつつ、肝心の強度は確保したそう。

軽いけど軟弱なのは安心して大会などで使えないのでこれは歓迎出来ます。

このリールもまた篭定釣具店さんにお世話になり、2月に予約して待つ事2ヶ月。4月10日過ぎに私の手元に届きました。

早速梱包を解いて先ずMgに比べて良くなったと思えたのが高級感。Mgは価格の割りにボディーの色などの面で私に取って

やや高級感が薄かったのですが、コンペは竿のキススペと同様の白ベースのマジョーラ色。

そしてスプールはMgではストレートでしたが、コンペでは4度のテーパースプールで遠投性能を高め、先端部のみストレート形状として

ライントラブルの低減を狙った設計。

ダイワの45をかなり意識したとも思える車のアルミホイールに似せたデザインを採用した事で、軽量化も図られ、

エッジの先端はゴールド。



メカで最も変わったのはスーパースローオシュレート。ハンドル30回転でスプールが上下一往復するのでほぼ1色、25メートルの糸が

一往復で巻き取られるスローさ。密巻きに関しては賛否両論有りますが、試投会なんかでは

「結構良く飛ぶしトラブルも少ない・・」と好感触を得た人も多いそうで、

試運転が楽しみ・・・。

ハンドル、ベールアームは専用設計で軽量化の為に更にシェイプアップして細く、軽くなりました。

カタログによると、「X-SHIP」による最上級の巻き上げの軽さと滑らかさにより・・」と有りますが、購入直後にハンドルを回した感触は

Mgとほぼ同等で差は殆ど感じられませんでしたが、シマノらしい剛性感の有る、ガタの感じられない、精度の高さを感じるマスターギアと

ウオームギアのマッチング、組み込み精度は素晴らしく、全くゴロ感などは有りませんが、やはりバージンギアなので僅かな

ノイズは指先に感じられ、ややノイジーな感触。このあたりは後ほど触れるオイルチューンと丁寧な試運転でギアにアタリが付けば

あの素晴らしいツルツル感、まるで氷の上を滑っているようなスベスベとしたシルキーな回転感が得られるハズ。

そのあたりはMgで経験しているので購入直後の、マシンカットで削ったまま、組み立てられただけの状態から

丁寧に使い込んでゆけばかなり改善されるハズ・・と信じて

付属品からチェック。

スプールは極細仕様を購入したので0.8号スプールが2個にスプールベルトも2枚。

スプールは上部がガラ開きなので、砂や海水がスプール軸に降り注ぐのを防止する為の

「サンドプロテクター」と呼ばれる薄い円形で樹脂性のペラペラの部品も2枚。

それにスプールに張り付ける道糸の号数表示シールが1シート。

黒いリール袋とハンドルを右巻き用に付け替える為のハンドル軸1本。スプールワッシャー数枚など。


もう一度リールに目をやると、ボディーの形状もMgと全く同一では無く、新しく設計をし直されたようで、

コンパクトさがより追求された感じ。逆にベールアームやローターなど、根がかりや藻などを掛けた時に大きな負荷がかかる

部分の基本的な作りは強度確保の為か、殆ど変わっておらず、堅実且つ頑丈そうな作りでたわみや衝撃に対して強そうな作り。

そして今回のリール購入に際し、友人の、私からすれば「オイル博士」と呼んで良いような、オイルメーカーに勤務する

オイルお宅オヤジから譲ってもらったのが、「リール専用スペシャル?オイル」

このオイルは私とオイルお宅オヤジだけの、もちろん使用に際しては自己責任の非売品ですが、

2年前にMgを購入した時に譲ってもらったオイルに対して更にオヤジが

研究を重ね?、洗浄剤、油膜切れ防止剤?などなど、・・いろいろと調合して作ってもらったもので、

スラッジ、金属粉などの洗浄力、排除性能、そして油膜切れ防止性能、

しかもリール内部の樹脂部品やコ゜ムパッキンなどへの影響も少ないように考慮して・・と

オイルお宅の友人はいろいろとうんちくを垂れてくれますが、私にとって何より素晴らしいと思えるのが注油して釣りに行き、

数時間使っているだけでギアに「あたり」がついて次第に増して来るあの「ツルツル」感とスベスベ感。浸透力が強いオイルなので

多く入れすぎるとボディーの部品どうしの、僅かな隙間からも染み出して来るのが難点では有りますが、

リールを新品で購入したらリール最下部のキャップからスポイドでスプーン1杯程度入れるのが最近のリール購入直後の儀式。

そのまま一回釣りに行くだけで次第にツルツル感が増して来ますが、帰ったらまたキャップを取り外して一晩リールを立てかけておくと、

購入直後に入れたオイルがギアの切り粉やスラッジ、余分なグリスなどと共に垂れ出ます。

ここまでが試運転状態で、汚れたオイルが出切ると

また同量のオイルを入れて、今度は営業本運転となりまして、使う程に回転感はツルンツルンのままで1年間は

ノーメンテで全く問題無しにシーズンOFFまで大丈夫・・がMgに注入した結果。

なので今回のこのリールも開梱後5分も経たない内に尻のキャップを外されて浣腸。(~o~)

そのままテレビでも眺めながら空回し20分でかなりツルツルになり、初期「アタリ」を付けた後に釣りに持ち出すのが

ギアを長持ちさせるコツ。

純白、マジョーラ輝くボディー色には篭定さんの青スプールも何だか良く似合っていい感じ。

もちろんMg用ADTさん製スプールも問題なく装着可能なので

これまでに購入したスプールの資産を無駄にする事無く、今後も活用出来るのが美点で、このあたりも他社のリールを意識している様子。

今度は海に持ち出しての使用感などを書きます。ではっまた・・。