投げ竿の折れた穂先を活用 高級カーボンサンドポール製作
今回はキススペの穂先を加工して各部の作りも吟味し、高級カーボンサンドポールを作ってみました。

「えっ!!とうとうキススペを切断したの?(@_@;)無茶するわぁ」と言われそうですが、

実は2代目のキススペはSタイプとPタイプの2本の穂先が

標準装備されており、私は専らPタイプのみ使って来ました。 S穂先はガイドも付けずに放っておいたところ、

娘が小学生の時にオモチャにして振り回し、床が段差になっている所に上の娘が落としたところへ下の娘が奪おうとして踏み潰し、

穂先の先端から5センチ程のところで「ポキリンコッ」(T_T)

405BXが400BXになってしまう始末でしたが、いくら折れたと言ってもキススペの穂先。

部品で購入すると3万円もしますし、捨てるのも忍びないので物置に放り込んで早11年。

その後この穂先は日の目を見ずに時間が経過しましたが、そうする間にキススペも3代目。

ますますゴミ同様の扱いで嫁に蹴り飛ばされたりしましたが、

私がカーボンロッドでサンドポールを作り始めたのがきっかけで一躍「最高級素材」に躍り出る事となりました。(~_~)

さてこのS穂先。柔らかめの穂先なのですが、それでもBXの穂先ですから折れた先端から更に10センチ程度カットすると

残った部分はビンビンのガチガチ素材。

塗装はもちろんパールピンクで今も輝きを失ってはいませんでした。

蹴り飛ばされていた穂先をいたわるようにシリコンコーティング剤で磨き、

いよいよ最高級カーボンサンドポールの製作に取り掛かりました。

先ずは砂に刺さる部分ですが、ここは強度と美しさ、軽さを重視してムクのチタン丸棒としました。

径は8ミリでキススペの穂先の内径と同じ太さで、グッ・・とユックリ挿し込むとピッタリのサイズでブレも無く収まりました。

チタン丸棒の先端はグラインダで丁寧にテーパー加工しました。(^^)

チタン丸棒をグイグイ押し込むと穂先を内側から裂く力が加わるので、

割れを防止するために12.7ミリステンレスパイプを穂先の竿尻側に挿し込みます。

下写真のように、穂先の竿尻側はノンスリップグループと言う滑り止め加工が施してあり、

他の部分より太くなっているので12.7ミリステンレスパイプはその太くなる部分のテーパーが強い場所でピッタリとサイズが合いました。

下はチタン丸棒と穂先の結合部分の図ですが、カーボン素材をチタン丸棒とステンレスパイプでサンドイッチしている構造で、

穂先は緩やかなテーパー形状なのでチタン丸棒を強く押し込むとガッチリと締め付ける事になり、接着剤などは使わなくても

完全に固着します。

穂先とチタン棒が結合したら、12.7ミリステンレパイプの内径が10ミリなのにチタン丸棒の外形は8ミリなので

その隙間2ミリの間に9.5ミリ径で肉厚0.8ミリののステンレスパイプを通してやり、ガタを無くします。

ピッタリと収まったらズレが生じないようにステンレスハンダでハンダ付けし、砂に刺さる部分は完成です。

次は竿受け部分の製作です。前回同様にステンレスクギを曲げて竿受けを作りました。

今回は穂先の径が4ミリ程度でしたので、竿受け部分のパイプは6ミリ径のステンレスパイプとしました。

そのパイプに曲げ加工したステンレスクギを挿し込み、ハンマーで叩いて仮固定し、ステンレスハンダで完全に接合し、

やすりがけして体裁を整えます。

クギの表面は粗いので竿のキズ付き防止に熱収縮ゴムパイプを通してライターであぶり、収縮させます。

竿受けが完成したら穂先に薄く接着剤を塗り挿し込んだら完成です。


シマノの小出しエサ箱用のホルダーは適合径よりも穂先がかなり細いのでナイロンテープを巻いてから固定しました。

これで全ての加工が終わり、完成デス。(^^)v
 
船竿を加工して作ったポールと比較すると全体にかなり細身で一寸頼りなく見えますが、

庭に刺してキススペを立て掛けましたが、ビンビンに

硬い素材でブレもたわみも少なくて先ずは成功です。

細いので横風によるブレも少なく、安定して竿を支えてくれました。

重量は168グラムで前作より20グラム程度重くなりましたが、

これは砂に刺さる部分を前作はステンレスパイプ、今回のはチタンのムク棒とした為で、

もっと軽量化は図れますが、メーカー品のカーボンサンドポールに比べると半分程度ですし、

強度も有るのでこれで良しとしました。

3代目キススペと並べると良い感じ・・(^^)で、折れた穂先の活用がようやく出来ました(^^)v

投げ竿の穂先が折れたら捨てないで是非活用してみてください。

細身、ピンピンで強度抜群の高級サンドポールに変身させてやれば、

只のゴミが使い勝手の良い釣具になって活躍してくれますヨ。

作っている最中は細くて頼りなく見え、「ブレて使い物にならないのでは・・」と

思いましたが、

カーボン素材のパイプは真ん中付近を横から押すと容易にたわみますが、

先端のブレに対しては簡単にたわみません。

少したわんでも使用には何の支障もありませんし、金属製のポールとは違って

曲げぐせも付きませんので理想的な素材と言えます。

以上、今回は廃品を活用した工作記でしたっ。