乗り心地最悪のサスをワゴンサスに換装の巻

ハイエースは4ナンバーのいわゆる仕事人が使う貨物車なので、最大積載量は1トン積み、5人乗りと言えど

その足回りは頑強な積載量重視の作りで、特にリアサスペンションは何とリーフスプリングとまるでトラックと同様の作り。

当然ながら、総重量50キロ程度のベッドと釣具を乗せている程度では殆ど空荷と同様でフロントヘビーな車であり、

そんな状態で乗ると、リアサスは殆ど伸び縮みをせず、全くたわみもせず、ただ尻軽な荷室を乗せて

地面の凹凸を拾い、ポンポンと飛び跳ねるように走るのです。

そんな車のリアに載せられたら座布団を敷いても尻は痛いばかりでなく、「美味しいビールをリア席で呑もうにも

赤ちゃんのように前掛けをしないとおちおち呑んでおられんわぁ・・」といつも遠征で同行してくれる上ちゃんや奥村さんからも非難ゴウゴウ。

全席で運転していてもその突き上げが伝わって来て、マンホールの蓋の上を走行するだけでドカンッと

車が跳ねますし、同時にリア席では上ちゃんと奥村さんがシートから跳ね上がり、またビアをこぼす・・てな具合。

「4ナンバーの貨物だから辛抱せい・・」とは言っても2時間もリアに座っていると気分も機嫌も悪くなるそうで、

「これは何とかしなくては・・」とあちこちのハイエースを話題にするプログなんぞを覗くと・・同様の悩みをお持ちの

4ナンバー車所有者が多いようで、その対策として見つけたのが「3ナンバーワゴンのリアサスを流用して乗り心地改善する」項目。

改造した結果は「まるでエスティマやアルファードとは行かないものの、かなり激変する」らしく、私も早速資料を取り寄せて

調べてみると・・・。ハイエースには貨物登録の4ナンバーと乗用登録の3ナンバー車が存在し、人だけを乗せる為の3ナンバーには

10〜12人乗りのコミューター(いわゆる自動車学校や幼稚園の送迎車)やグランドキャビン(10人乗りワゴン)が存在。

それら3ナンバーの車種においては積載量よりも乗り心地優先のサスペンションが採用されており、

これを4ナンバーのスーパーGLのサスと換装すると、乗り心地がワゴンのようになると言うもの。

もちろん足回りの改変ですので車検を通すには強度計算書等と資料が必要で持ち込み車検となりますが、

私には車の修理業をしている友人が居て、いつもパソコンの調子が悪くなる度に面倒を見ているので

改造を持ちかけると快諾しつつ「任せておけ」と言ってくれたので面倒な書類や車検も含めて改造を丸投げし、

さて費用は・・・と調べると・・・。車のサスベンションなんて高価そう・・と思っていたのに、

純正のワゴンサスは片方17,100円也・・・左右交換で34,200円とは意外にリーズナブル。

リール1台程度の出費で購入出来ると判り、早速発注。入荷したのがこれ↓



最近このサスを発注する人がとても多くT社でも不思議に思っているのか、「発注には車検証が必要で納期も掛かる」と言われましたが、

品番を自分で調べてT社部品共販にダメ元で発注したら3日であっけなく入荷。

入荷したワゴン用のサスは薄いリーフが4枚重ねられており、

今までのものと違って1本20キロ程度ととても軽く、上に乗ってもフワフワとたわみ、

かなり柔軟そう・・。改造を依頼された友人は「今時柔らかいサスにしてくれなんて客は居らんで・・ガチガチにしてくれと言う

やつは多いけど・・」と笑っていましたが、こんな柔軟なサスでも12人乗りの車のサスなのでそれなりに強度は有り、シャーシは共通なので

改造申請をすれば強度的には問題無いので車検もOKなんだそう。

ちなみに取り外した今まで取り付いていたサスは↓で3枚リーフですが、一番下のリーフが短くてぶ厚くてたわまず、

荷物の重量をシッカリと受け止める構造で積載量いっぱいまで積まないとたわまず、殆どショックを和らげない「仕事人」仕様。


重量も片側40キロ程度も有り、頑丈そのもの。下がノーマル、上がワゴン用のリーフです。

これをリフトアツプして今改造の親方である友人を手伝いつつハンマーで叩いて両端のピンを抜いてシャックルから外し、

新しいサスをシャックルに取り付け、Uボルトで車軸に固定した上でショックアブソーバーは純正そのままで取り付け・・で

作業3時間で換装完了。

上の3枚リーフに比べてしなやかなサスに換装完了です。ちなみに車高は下がるかもと思っていたのに

逆にリアが2センチアップ。一直線な形状の3枚バン用に比べてワゴン用リーフサスは半月状の形をしており、

リアが少し上がるのです。「まあ・・尻下がりは格好が悪くて頂けないけれど、少しのヒップアップなら良いか・・」と

そのままにしています。友人は「車軸とサスの間にダウンブロックと言うブロックを挟むと簡単にこのタイプのサスは車高が下がる」と

言ってくれましたが、車を真横から見ても若干尻上がりになった程度で、ブロックを挟むと余計に車検の時に

煩わしい事になるそうで、このままにしました。

でっ早速友人の工場から出て試運転。

そしてすぐにその激変ぶりに感動。

友人に運転をしてもらって後席に座りましたが、今まで身構えるような思いで走っていたマンポールの蓋だらけの道も

しなやかに凹凸を受け止めて殆ど振動が和らいで本当にワゴンの乗り心地。

全席で運転をしてもリアサスの暴れの突き上げがあんなに前席まで伝わっていたのだなぁ・・と実感。

かと言ってフワフワ感は少なく、意外とロールも大きくなりませんでした。高速のコーナーを走りぬけても車の傾きは今までと同様で

凹凸を拾った場合のタイヤの暴れが少なく接地感が高く安定しているせいか、安心してコーナーを走り抜けられました。

ちなみに作業時間は3時間、工賃は2万円でした・・。総額6万円弱と高級リール並みの費用でしたが、4ナンバーハイエースの後席に

友人や御家族を乗せられる方には同乗者に喜ばれるお勧めの改造だと思いますし、

私も「もっと早くやればよかった・・」とその乗り心地の良さに後悔してしまった程で

費用対効果に優れていると思い、UP致しましたっ。

尚、純正部品よりもかなり高価になりますが、最初から強度計算書が付属する車外品のワゴン用リーフスプリングも販売されていますので

ご参考に・・。

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