攻めのアイナメ仕掛け

北近畿ではアイナメも良く釣れますが、アイナメは根の多い、投げ釣りで狙うと根がかりが

多発するような場所に多く住んでいます。

しかし、根がかりを恐れてはアイナメを根から引きずり出す事は出来ません。

なるべく根がかりしても仕掛けの損傷が少なく、回収率の高い仕掛けを使う事で、

ガチガチの根周りやテトラの近くでもアイナメ釣りを楽しむ事が可能です。

過去には「アイナメ一匹仕留めるのにオモリを10個使うつもりで・・」とか「捨てオモリ」なんて言葉も

聞かれましたが、あの環境に悪い鉛の錘を海底にガンガンと放り込んで、根がかり多発で多量に消費

するのは、海底に沢山の鉛が堆積する事になり、趣味としてアイナメ釣りをする以上、

そのような釣り方はなるべく避けなければなりません。

環境に害が少ない、錆びてしまう針や短いハリスは
切れてもある程度は仕方がありませんが

オモリだけはなるべく回収出来るような仕掛けを使うのが理想的で、

オモリさえ回収出来れば、仕掛けの補修も容易ですし、仕掛けにかかる費用も少なくて済みます。

先ず道糸ですが、北近畿では流れが緩い場所が多いのと、アイナメポイントの投点は近いのが

普通なので、風の影響を受け難い関係から、オモリの回収率を高める為に太い道糸を使います。

昔はナイロンの8号程度なら、力糸も必要で無く、かなり激しい根がかりでも竿をあおれば

オモリがキズだらけにはなりますが、かなりの確率で回収出来ました。

しかし、ナイロンでは引くとかなり伸び、螺旋状に糸ぐせも付きやすいので、

今ではPEの5号程度のものを使っています。 これならガチッと根に掛かっても

竿をあおればオモリに確実に力が伝わり、振動でオモリが外れやすいですし、

竿をあおっても外れない場合はまっすぐに引く事になりますが、この場合でも引っ張り強度はかなり

強いので、オモリはキズだらけにはなりますが、ぐいっ〜と引けばかなりの確率でオモリだけは

回収出来ます。

道糸の先には強度が有るスイベルを結び、そこにフロロカーボンの8号程度の太さのものを

モトスとして約1メートル結合します。 モトスの先端には根がかりしにくいロックオモリや

イシダイ用の真空オモリ等を結びます。重さは30号程度で良く、

図には描いていませんが、各部分の結び目をゴムチューブで保護するのも効果的です。


針は多く付けても根がかりを誘発するだけなので、1本針とし、針が根に掛かってしまっても

引くと伸びて仕掛けが回収しやすいカレイ針や流線型等を使います。

これにハリスとしてカーボンの5号を結び、ハリスの末端はチチワを作り、

モトスのチチワにくぐらせて結合します。ハリスを道糸やモトスの強度以下にする事で、

針が完全に岩に掛かって外れなくても、ハリスが切れてモトスとオモリは回収するつもりで

仕掛けは作るようにしています。従って針はすぐに取り替えたり、補充出来るように、

あらかじめ針にチチワ付きのハリスを沢山準備しておきます。

一方、モトスはチチワを作るだけの簡単なものですので、あらかじめモトスを作る必要は無く、

糸だけを買っておき、釣り場で結ぶようにしています。


ハリスは5センチ程度と短めのほうが、下の図からも判る様に、根に掛かる事が少なくなり、

わずかに岩盤から針が浮いているほうが、波でエサが踊り、アイナメからも見やすいようで、

食いは良くなります。これも図には描いていませんが、ハリスに浮力が有るシモリ玉を付けるのも

ハリスを海底から浮かせるのに効果的で、ふわふわと漂ってアイナメを誘ってくれます。