A 北近畿におけるアイナメ釣りのコツ

アイナメ釣りのエサ

アイナメは完全な肉食魚で、海中では藻の間に住むエビ類、海底の環虫類などをエサにしていますが、

投げ釣りでは主に虫エサやボケ、カメジャコなど甲殻類が使われます。

北近畿では虫エサは容易に入手出来ますが、冬場はボケ、カメジャコ等は釣り餌店に置いていない事が

多く、専ら虫エサでアイナメを狙っています。

その中でもマムシはアイナメが最も好み、比較的丈夫なエサである為に、根や、藻と擦れても千切れにくく、

アイナメ釣りには最も適しています。マムシはカレイ釣りの時よりも大きめに切り、短くても5センチ以上の長さの

ものを刺し、目立つようにすると効果的です。

また、大きなエサ程ユラユラと揺れながらゆっくり落下する為、アイナメへのアピール度も高いようです。

場所によってはマムシ以外では見向きもされない場所も有り、アイナメ釣りには欠かせないエサになっています。

次によく使うのがアオイソメで、良く動いてアイナメを誘う為にこれも有効な虫エサです。

これも目立つように大きく房掛けにするのが有効で、マムシと違い、海底に落下した後も良く動くので、

シモリの間の砂地等を狙う時に有効なエサです。

大型アイナメにはユムシも有効で、これもユラユラと落下し、海底では転がるようにアイナメを誘いますが、

根との摩擦には弱いので、これも砂地主体の釣り場で有効なエサです。

アイナメは30センチ程度のサイズでも口が大きく開き、丸呑みにしますので、

いずれの虫エサも大きなものをタップリと針に刺すのが良く、エサをケチっていては大型は望めません。

アイナメ仕掛けの特徴

アイナメ釣りでは根や藻を狙って仕掛けを投げ込みますので、貧弱な細仕掛けではいくら仕掛けが有っても

すぐに切れてしまって釣りになりません。

カレイ仕掛けなどでは飛距離を稼ぐ為にモトス、ハリスよりも道糸が細い仕掛けが一般的ですが、

アイナメ釣りの時にそのような仕掛けを使うとオモリや力糸がいくら有っても足らなくなりますし、

道糸やオモリを沢山海底に残し、環境汚染にも繋がりますので、

根に掛かってもせめてオモリは何とか回収出来るような強度を持った仕掛けが必要です。 

根ががりすると一番切れやすいのが道糸と力糸の結び目ですが、この結び目を不要とすべく

思い切って道糸を太くして、切れ易い力糸は無くても不要なように、ナイロンなら7号程度、PEなら5号程度の

太さの道糸にオモリを直結し、例え針が根に掛かっても道糸を引けば針が折れるか

モトスやハリスが切れてオモリだけは回収出来るような仕掛けを使うと

高価なオモリの損失が最低限で済み、モトスやハリス、場合によっては針だけを

結び直せばすぐに投げ返す事も可能です。「アイナメ釣りは根ががりとの戦い」と良く言われますが、

同じ根掛かりでも仕掛け全体が飛んでしまうのと、

オモリから先の一部だけ切れるのとは損失面で大きな違いですし、

針が根に掛からなくても道糸が根と擦れる事も多く、

道糸はカレイ釣りでの力糸以上の強度を持ったものが必要です。

針も太くて強すぎるものは不適で、針が根に掛かって引いた時に伸びたり折れたりする針が理想的で、

モトスやハリスが切れる前に曲がったり折れたりする、カレイ針等を

使わないと、根がかり毎にモトスから交換する事になります。

強度が落ちる結び目はなるべく省くのが理想的で、

私はPE5号の道糸の先ににL型遊動天秤の30号程度を直接結び、

天秤から先はフロロカーボンの5号を1.5メートル取り、ハリス、モトス兼用でモトスの先に直接針を結び

針が鈍ったり、伸びたりしたら針の結び目の少し上で切り取り、

また針をモトスに直接結んで復活させています。

何回か針を結び直すと次第にモトスが短くなるのと、根ずれで傷んできますので、ある程度投げ返したら

モトスもまた長いものに結び直しています。

アイナメ釣りでは2本以上の針を仕掛けに付けても根ががりを誘発するだけですし、トラブルが有っても

さっと直せてすぐに投げ返す事が出来るシンプルな一本針仕掛けで十分で、

釣り場にはボビンに巻いたままのモトス兼ハリスと針だけを携行し、釣り場に行ってから結ぶ場合でも

簡単に仕掛けを作る事が出来ます。

アイナメ釣りに潮の早い釣り場は不適

アイナメ釣りでは仕掛けがズルズルと海底を引きずられてしまうと、

すぐに点在する藻や根に仕掛けが絡んで根ががりしてしまいます。

糸ふけを取る場合もユックリと引かず、竿を跳ね上げるようにしてオモリを一旦海底から浮かせないと

すくにオモリが根に食われてしまいます。

よって潮の力でズルズルと道糸が引かれ、オモリが流される場所では

根掛かりばかりで釣りになりません。 

投げ込んだらオモリは一定の場所で落ち着いてくれるのが理想的で、

サグリを入れる為に仕掛けを手前に引き寄せる場合でも、

必ず一旦オモリが底を切るように、硬めの竿で一気に竿をあおってオモリを海底から

跳ね上げるようにして根にオモリを食われないようにします。

アタリが出たら!!

アイナメのアタリは「ガツンガツン」とはっきりしており、大きなアタリが竿先に連続して伝わり、

この時点ではアイナメは完全に針を呑んでおり、首をブルブルと振り、体をくねらせて暴れています。

このアタリが出たら、先程のように一気に竿を煽り、アイナメを早く根から引きずり出します。

ここでモタモタとアタリを見たりしていると、アイナメは帰巣反応ですぐに自分の住処である岩穴に戻ろうと

するため、せっかくアイナメを掛けながら、巣穴の根に仕掛けが引っかかり、回収は非常に困難になります。

アイナメ独特の激しい連続アタリが出たら「即大合わせ」して根からアイナメを放り上げ、

そこからリールで一気に高速巻上げにかかり、アイナメの頭をこちらに向けた状態にし、先手先手で

取り込むようにします。 巻き上げの途中でポンピングなと゛していると、一瞬の隙を見てアイナメは反転して

根に戻ろうとしますので、アイナメが暴れようが重かろうが無心でリールを巻き続け、一気に勝負を終わらせる

ようにします。 まあ・・こう書いている私も40センチオーバーの良型は5.6本しか取っていませんが、

逃げられたアイナメはかなり多く、バラシの殆どは何かの理由で大合わせや巻上げを躊躇した場合が多く、

一瞬の気の緩みがバラシに繋がります。

30センチ程度のアイナメならこんな無理しなくても十分取り込めますが、ガンッと大アワセを入れて、

ガンガンと引き込んだり、重量感を感じたら相手はかなりのヤツなので、アイナメの首が千切れる程の

一気果敢な巻上げが勝負を決します。