キス数釣り専用クーラーの製作

私のキスの数釣り専用クーラーですが、

以前はメーカーが仕立てた投げ釣り用のクーラーをそのまま使っていました。

しかしメーカー製はカレイ釣り等にも兼用出来るようにと容量が大きく、重いので、砂浜をクーラーを肩に下げて軽快に釣り歩く場合はその大きさと重量が負担となっていました。

投げ用にと取り付けられた装備品もキスの数釣りに特化した物でなく、

汎用性は高いのですが、仕掛けや小物の収納の面でも

今ひとつぴったり収まる入れ物が少なかったのです。

そこで、私なりに使い勝手を考え、次のような改造目的を考慮しつつ、

キスの数釣り専用クーラーを作っております。

先ずサイズですが、これは容量が8リツトルも有ればキス専用クーラーとしては十分で

保冷剤や飲み物を入れて残りが5リットル程度で中型キスなら100匹は

楽に入ります。従って今回は8リットルの軽量で保冷性能の良いクーラーを

改造する事にし、クーラー本体の重量が2.3キログラム、保冷剤や装備品を加えても

4キログラム以下を目標にし、軽快に浜で持ち歩けるように考慮しました。

次に、以前のキスの数釣り用クーラーは本体の横に大きめのサイドボックスや

バッグを取り付け、ここに何でも放り込んで、持ち運ぶスタイルが主流でしたが、

これが以外と釣り場で不便なのです。仮に今まで多かった縦長のサイドボックスに

仕掛けや小物を全部入れて、底部に有る物を取り出すのには上部の物まで出さねばならず、

キス釣り大会などで時間に追われる時などは煩わしく感じてしまいます。

仕掛けや換えスプール、天秤、力糸等、ありとあらゆる物を一箇所に入れている

為に整理もつかず、忘れ物も気付きにくいなど、これでは単にクーラーと

整理されていない道具箱をくっつけて持ち歩いているのと同等です。

よって仕掛けや替えスプール、天秤等、形の違う物はその道具に合った形の

別々の入れ物に入れて、整理しやすいように別けてクーラーに装着する事にしました。

次に、その分かれた装備品も使用頻度に応じた配置とし、力糸とスイベル、

仕掛けと天秤等、釣りをする上で関連が強い物は近くに装着するなど、

一目でどこに何が有るかすぐに判り、取り出しと収納がスムーズに行えるように

工夫しています。

先ずクーラー正面ですが、ここは釣りをしていて常に触るエサ箱、手拭きタオル、

カウンター、メゴチ鋏等を取り付けており、

キスを外す、カウンターを押す、濡れた手を拭く、エサを付ける、と言う

一連の作業や外道を外したりする動作をこの正面の道具類だけで出来るようにしています。

カウンターとタオル入れの筒、メゴチ鋏掛けはステンレスの木ネジで留めています。

この筒は渓流竿等が入っていた樹脂の筒を切って流用しています。

この筒にハンガーも取り付け、メゴチ鋏のガタ付きと落下防止を図っています。

次にクーラーの右側面ですが、私は右ききなので、この面に正面の道具の次に良く使う

仕掛けと天秤、ゴミ入れを装着しています。

仕掛けはこの黒いカバン状のルアー釣りで使うスピナーベイトワレットを

ベルトで装着し、収納しています。このスピナーベイトワレットの

中はチャック付きのナイロン袋が束で入っており、その袋に仕掛け巻きを

入れています。こうすると、仕掛けを取り出す時にどこにどんな仕掛けを入れているかが、

本のページをめくる要領ですぐに探せます。

以前はこの仕掛け巻きを円筒状の容器に重ねて入れており、仕掛けを見分けるのに

容器の中の仕掛け巻きを全部取り出し、バラバラにしてから探さねばなりませんでしたが、

このスピナーベイトワレットを使うようになってからはそのような煩わしさから開放され

予備の仕掛けの入れ替えもスムーズに出来るようになりました。

その仕掛け入れの奥には使い終わった仕掛けやタバコの吸殻等を入れる

ゴミ入れを取り付けました。

これはステンレスの箸立てで、台所用品ですのでホームセンターで購入しましたが、

メッシュなので砂が付いた仕掛けを入れても、少し振るだけで砂は抜けてくれます。

ステンレスなので海水にも腐食せず、軽量です。引っ掛け具に掛けるフックも付いており

簡単に取り外してゴミを捨てられます。

そしてその奥には天秤を収納していますが、これはワームボックスを釣具店で購入し、

これに天秤の足が干渉しないように切れ目を入れ、収納しています。

投げ用のクーラーに付属している天秤ホルダーは天秤が簡単に外れて落下したり

場所を取ったりと私もいろいろと悩んでいました。 しかし、

このワームボックスを加工した入れ物にしてからは蓋のロックを

外さない限り天秤は外れませんし取り出しも容易、そして場所も取らないと

一石3鳥の働きをしてくれます。

このワームボックスも天秤の重量が掛かるので、両面テープでの装着では

剥がれ落ちますので、ステンレスの木ネジ4本でしっかりと取付けます。

次にクーラーの左側面ですが、こちらの面は根掛かりや高切れなど投げ釣りに

付き物のトラブルに対応する替えスプールや予備の力糸、スイベル等の他、

ロッドスタンドを装着しています。

大きな投げ用リールの替えスプールが2個、余裕で入るスプールバッグを

取り付け、この中にスプールと力糸を各々2個、パワースイベルやモトスの結合糸を

この中に収納しています。上手く収納すれば取り出しやすく、且つ

コンパクトに収まります。

  

これだけ入れておけば、何回ものトラブルに遭っても十分対応出来ますし、

釣り場の状況に合わせて道糸や天秤を容易に交換出来ます。

このスプールバッグは下写真のように、

ズボンのベルトに吊り下げるウエストポーチの引っ掛け具を

流用し、これをスプールバッグにネジ留めしています。

この引っ掛け具をクーラーのベルトを通す為の穴に引っ掛けて

やれば、簡単に装着、取り外しが可能です。

このバッグの下にはスプールインと言う、力糸を取り付けて巻き取りを容易にする

支持具も貼り付けております。

ロッドスタンドはガタ付き防止の為に上下2点で留めています。

この近くにステンレスの丸環をこれも上下2つねじ込み、

クーラーを持ち歩く時は使用後に開いたままの天秤を収める簡易天秤ホルダー、

  

浜で釣りをする時はサンドポールの支え金具と兼用しています。

クーラー後面にはデジカメや予備の道糸、ゴミ袋、タオル等を収納する薄いバッグを

ネジ留めしています。

このバッグは柔軟性が有り、クーラーを持ち歩く時に腰に当たっても痛く無い物を

選びました。

最後に内部の改良ですが、私はエサとなるイシゴカイを

鮮度良く使う為に、中蓋の小出しエサ箱からエサを少しづつ、頻繁に取り出す為、

上蓋を何回も開け閉めします。従ってその度に中の冷気を漏らしてしたら、

すぐに中の保冷剤が溶けてしまいます。

よって中蓋の裏側には写真のように、保温シートを貼り付けています。

これは、キャンプ用のレジャーシートを両面テープで貼り付けていますが、

価格が安くてカッターナイフや鋏で簡単にカット出来るのと

厚みの割りに保温性能が高く、お勧めです。

保冷シートを内蓋に貼ってクーラーに収めると上写真のようになります。

魚投入口の下にあたる部分だけキスが下に落ちるようにカットしていますが

こうする事で、仮に上蓋を開けても、クーラー内部の冷気は僅かに開いた

このカット部分からのみ漏れる訳で、外気も侵入しにくく、保冷性能は

飛躍的に良くなります。

外気温度20度の日に蓋を閉めたままで実験しましたが、

ほぼ10時間で溶けていた保冷剤が、このシートを追加してからは

15時間経っても未だ溶けかけている程度でした。

開け閉めしない状態でもこの差ですので、炎天下に頻繁に開け閉めする

釣り場での差は2倍以上となりました。

そして、内部にはクーラー内寸に合った内容器を収納しており、

ここに魚投入口から入れたキスが落ちて溜まります。

こうする事で、帰宅後に内容器ごとキスを一度に取り出せ、クーラー内部や

保冷剤が汚れる事も無くなり、釣り後の手入れが楽です。

以上、私のキス釣り専用改造クーラーをご紹介させて頂きましたが、

ご紹介した内容は今まで使っていたキス用クーラーの釣り場での使い勝手の悪い部分を

克服する事が主な改造理由です。今後もこのクーラーと竿、リールさえ持ち歩けば、

釣り場でスムーズ、スピィーディーにキス釣りが出来るよう、

釣り場で使って見た上で、改良を重ねてゆきたいと思っております。

クーラーは竿やリールに比べて釣り場での道具の主役では有りませんが、

「道具は現場で改良要求が出され、鍛えられて良い道具になってゆく・・・・」

私はこんな思いで、海岸での不満点を思い出し、道具の改良を楽しんでおります。

釣りは海岸だけで無く、家で次回のキス釣りを楽しみにしつつ、

道具をいじるのも釣りの楽しみの一つだと思います。

以上。