ベアリングの防錆に6−66
リールのベアリングは滑らかな回転を支える、いわば隠れた黒子のような存在ですが、
ベアリングは錆びやすい鉄で作られているものが多く、リールにも鉄製のベアリングが多用
されています。 錆びは酸素と鉄が結合して酸化鉄となる為に発生しますが、
錆びが発生しやすい条件としては、水分、塩分、高温等があり、特に釣りにおいては水分と塩分が
ベアリングに与える影響が強く、特に道糸を巻き取るベールやハンドルに装着されているベアリング
においては水分と塩分からは逃れ難い部分であり、例えステンレスのベアリングを使っても
釣りから帰ってから注油をしていなくては、ほんの数ヶ月、
ひどい場合は数日で錆びが進行してしまいます。
錆びが発生したベアリングはゴロゴロと音を発するばかりか、回転が重くなったり、
全く回転しなくなり、ロックしてしまう事も多々あります。
そこで、なるべく注油しなくても良いような、釣り具専用の防錆加工されたベアリングも出回っては
いますが、これも程度の問題で、全く腐食が発生しないベアリングは殆ど無いのが現状です。
よって私も釣りから帰って来たらすぐにリールを洗い、特にベールとハンドル部分の軸受けには
こまめに注油しており、今まではあまりベアリングを錆びさせた事は無いのですが、
釣りも2日、3日と連続で出掛ける場合もありますし、
雨の日に釣りをすると、塗布したオイル成分も流れてしまい、
時折トラブルを起してしまう事もありました。
そこで、海水に強い潤滑剤を探していましたが、ある漁師さんが、
船具やいつも塩風が吹き付ける自宅の
アルミサッシ等の防錆には「これしかない」と教えてくれたのが
呉工業の6−66と言う防錆スプレーです。
この6−66ですが、呉工業には5-56と言う誰でも知っている防錆、潤滑剤
がありますが、その5−56より防湿、防塩性能が更に強く、
強力な皮膜で海水から金属を守って
くれるようです。
5−56よりも粘度は高いのですが、グリスのようにねとねととした感じでは無く、
5−56同様にスプレーして手軽に使えます。
そこで、釣り用では無いのですが、工業用の鉄のベアリングに5−56と6−66を吹き付け
濃度20パーセントの塩水と共に小瓶に入れ、数分間掻き回してから2日間放置し、
錆び具合を試して見ましたが、その性能は歴然・・・!
上の写真は塩水に浸した後にベアリングを分解し、ボール(コロ)が転がる内面にあたる
内輪側を写したものですが
左の5−56に浸したものはもう表面がボロボロで、
これではボール(コロ)もスムーズに転がらないのは見た目からも判ります。
片や6−66を塗布したものは全く錆びらしきものは見当たらず、
やはり「マリーン用」とうたわれているだけはあり、塩水の中で掻き混ぜても、
皮膜が強く、流れ落ち難いようで、数段防錆性能は良いようです。
2日間でこの差ですから、釣りの後に全く無注油で放置すると、真っ赤に錆びたベアリングに
驚き、知らずに釣り場に持って行ったとしたら、ギシギシと異音を発するかベイルローラーがロック
してしまっているかのどちらかになりますね・・・。
よって私も今後は6−66をスブレーするようにしようと思いました。
そして6−66もさらさらとした液体ですので、より酸素と塩分からベアリングを守る為、
少しグリスも混ぜて使おうとも思いました。
クリスを混ぜると粘度が高まり、密封性と流れ落ち難さは高まるハズで、
塩分、水分に加えて、砂やホコリがベアリングに侵入する事も防げます。
防錆だけでなく、潤滑も高まり、軽い回転が長期に渡って持続するので、
遠征前にも有効なリールチューンだと思います。