テクニック編
そのO 周囲を観察する。
前項まではあくまでも一人でキスを何とか多く釣る手法を書いて来ましたが、
私はキス釣りをする時には投げ北のメンバーやクラブの先輩、
そして釣り場でお会いした皆さんと一緒に釣る事が多く、単独でキス釣りをする事は殆ど
ありません。 そんな私にすれば、周囲に居る方は全て情報をいろいろと教えてくれます。
もちろん私より沢山釣る人、そうでない人といろいろとその時によって違いますが、
別に話しかけなくても、隣でぞろぞろと連で釣れていたら、自分の釣りとどこが違うのか、
距離、さびく速さ、エサなど良く観察していると、どのようにすれば釣れるのか、又は素針を引くのかが
判るものです。 例えば遠投で食うのか、近くで食うのか、また、本当に良く食う範囲はどこなのか、
自分一人で確かめるには少なくとも3〜4投せねばなりませんが、例えば先行していた上ちゃんが
「3色やでっ」と教えてくれれば初投から4色付近に投げれは良い訳で、大会などで、
全く知らない釣り人の横に移動して入った場合でも、遠投で釣れていなかったら近投する、
近くで釣れていたら、同じようにする。等周囲の釣り人はいろいろと情報を発信してくれます。
さびく速さも同じ事で、一定速が良いのか、狭いポイントで止めているのか、いろいろと
観察する事によって教えてくれます。隣が釣れていようが、釣れていまいが
とても参考になり、隣も自分も全く釣れなくなったら移動するなど、観察し、情報を活用しないと
自分だけの釣りとなり、その釣り場の良く釣れる釣り方に調整するのに手間と時間が掛かります。
特に大会ではこの「観察」が大切で、自分の釣りに精一杯で周囲が見えない、余裕の無い釣りを
している時には、他人より沢山釣る事はとても困難になります。
さびきつつ、釣り場の状況変化、例えば日差しや潮目、潮流、干満、を感じつつ、
他人の状況を観察し、釣れ具合を見つつ調整してゆく・・・言葉で書くと簡単ですが、
これがなかなか忙しい上に状況変化に付いてゆくのが難しい・・(^_^;)
でも、特に名人と呼ばれる上手な方は皆さんこのようにして釣っておられ、
遠投力や、他人を上回るさびき方や仕掛けの使い分けなどの調整をしつつ、
観察によって得られる情報を分析し、常に他人の先手を取ると言う気概で
釣っておられると、私も多くの上手な方に話を聞き、勉強させてもらいました。
自分の釣りスタイルを信じ、いつも同じやりかたで無心に釣って居られる方も居られますが、
たまたま、その時の釣り場の状況にワンパターンな釣り方が合った場合はまずまずの
釣果も得られますが、それはあくまでも偶然で、いつでも通用するものではありません。
ポイント、引くスピード、エサ、仕掛け、天秤、これらの組み合わせは無限大ですが、
出来るだけその日、その場所のキスに対して好んで食ってもらえる状態にするように
自分自身が感じる潮や温度の変化だけで無く、周囲への観察力を高めて
最低限、「いつでも安定した釣り方」を実践したいものです。 この場合の「安定」とは
良く釣れる日はもちろん、余り釣れない日でも他人を含めた平均以上は釣る事も意味します。
逆に言えば、とくに大会では、「焦り」「気力の低下」「体力の低下」は
周囲が見る感度が低下し、「漫然と無造作に釣りをしている」状態になり、
不安定で、競技以前の状態になります。
私もまだまだ釣り場での状況変化に即応出来ませんが、
上手な人、先輩、そして同行してくれる投げ北チームや釣り場でお会いする皆さんに
いろいろと教えてもらい、情報交換しつつ、勉強してゆきたいと思っております。