テクニック編

そのA 海底の溝、深みの見分け方 

次に外洋性の釣り場でのポイントの見分け方を紹介します。

福井の三里浜や波松海岸、鳥取県の北条砂丘や鳥取砂丘、丹後半島の浜詰などの

海岸は北側に波をさえぎる半島や島が無いため、一度荒れるとすぐに海岸線の地形が

変わり、潮流も比較的早いので、その沿岸流により常に海岸の状況は変化し続けている。

このような海岸は内湾性の砂浜に比べて出っ張りや凹んだ所が交互に形成され、

海底の溝や深みも変化に富んでいる。

先ず、溝のポイントだが、砂浜海岸に波が押し寄せると、その影響により、海岸線に

押し寄せてくる流れとその流れが寄せ合わさって沖へ払い出す流れが発生する。

押し寄せて来る場所では砂が盛り上がり、出っ張りが作られ、その出っ張りで2分された

流れは凹んだ部分に集まり、沖に向かって払い出す。この払い出す流れにより砂が削られ

海底には溝が作られる。この縦方向の溝は釣り人から見て自分の前が全てカケアガリの

連続となる為、最も良いポイントとなる。更に、流れは沖に向かっている場所なのでシカケが

緩まず、遅く引いても常にシカケを張った状態に保て、キスの食い込みも良い。

この流れを専門用語で「リップカレント」と呼ぶが、波が高くなるほどその流れは強まる。

しかし、波も1メートルを超えるとキスの群れも薄くなるため、波が小さい時の好ポイントで

ある。また、この溝の沖には窪地のような深みもよく形成され、ここも良型キスのポイント

となる。このような溝や深みの見つけ方は、先ず海岸線の凹んだ場所を選ぶ事と

打ち寄せる波を良く観察し、回りより波が小さくなる場所、波打ち際から海草や木の葉などを

投げてみて、沖に向かって流されてゆく場所などを目安にすると良い。