テクニック編 そのM 

落ちギス爆釣法

落ちの時期はキスが越冬前に荒食いし、大型が釣れる確率も高く、一年で最もキス釣りを

楽しめます。 条件さえ満たせば3時間で20センチオーバーばかりの一束釣りも夢では

ありません。 この項では浜詰や由良川河口、高浜等の砂浜から落ちギスを狙う場合の

コツを紹介します。

 時期

落ちギスの釣れる期間はほんの2週間程度と投げ釣りの本などでは紹介されていますが

北近畿では他の地方と違い落ちギスの期間は長く、およそ10月初旬から12月初旬まで

続きます。 この期間の途中に台風などが通過し海が荒れると一旦は低調になりますが

凪が続くとまた食いが上向きます。 また、北近畿は沖合いを暖流である対馬海流が

流れている為、由良川河口や高浜等の若狭湾内は早く水温が低下し落ちギス期も早く

終りますが、外海に面した浜詰や平浜などでは初霜が降りるような日に落ちギスを

好釣したこともあります。 期間の後半ほど丹後半島方面を狙うのがコツです。

 天候、波

砂浜から落ちギスを狙う為には北風により波が高くないか、釣行前に確認する必要が

あります。 特に晩秋から初冬は冬型の西高東低の気圧配置となる日も多くなり、

強い北風が吹き出すと波はすぐに高くなり、5メートルを超える危険な波高となることも

ままあります。 釣行直前に天気予報を確認して波の高さを考慮して釣り場を決めたり

釣行を取りやめたりしなければなりません。 他の項でものべましたが、丹後半島方面

なら1.5メートル、若狭湾内ならば2メートルがキス釣りが出来る限界です。

1メートル以下の日を選んで釣行すれば、殆どの場所で楽しむことが出来ます。

尚、予報で波が穏かそうでも、天候の急変も多く、釣り場に着いたら荒れていることも

ありますので、風裏となる浜等の第二候補の釣り場も考慮しておくと良いと思います。

但し夏場の中小型キスと違い、大型の落ちギスは多少のウネリやザザ波程度でも

良くエサを追います。 周年波が高い日が多い浜詰などではキスが波に慣れているようで

底ウネリで濁ったりしない限り、深みにはキスが群れていますので、浜に少しかけあがって

来る程度の波ならば、狙ってみて下さい。

 ポイント

落ちギスは夏場と違い、浜全体にまんべんなく群れていることは殆どありません。

特に大型は浜の深みや溝周辺に群れる傾向にあるため、浜に降りる前に浜全体を

眺めて、海面の色が濃い、深みと思われる場所を集中して狙うようにします。

特に良いポイントとなるのが、払い出しと呼ばれる部分で、打ち寄せる波により海流が

合流し沖に向かって流れている所が深くなりやすく、周りが波立っていても払い出し部分

では波を打ち消し、白波が立ちにくいので、すぐに見つけることが出来ると思います。

海岸線がくぼんだ部分の前も深みや払い出しとなっている場合が多く、ベタ凪の時よりも

多少波が有る時のほうが、この海岸の凹凸は目立つようになります。

従って払い出しで釣るには、海岸がへこんだところからは正面に投げ、出っ張った所からは

左右に斜めに投げて、深みに仕掛けが入るようにします。

 仕掛け

落ちギスは群れさえ見つければ活性は高い事が多い為、特に蛍光色のハリスや

極細のモトス、ハリスを使う必要はありませんが、大型が多いので伸びるタイプの針は

バレが多くなります。出来ればがま秋田キツネや都針等の6号程度がキスを外す時に

少々ムリしても針が変形する事が少なくて済みます。 但し、大型が多いと言って大きな

針は必要無く、5号以上の針ならば、例え27センチが食いついても、針を曲げられたり

折れたりすることは殆どありません。吸い込みと深みでフワフワとエサを自然に見せる為に

軸の太い大きな針は適当ではありません。 針間隔は30センチ程度と長めにします。

活性の高いキスが一気に追い食いするとバナナ状となりやすいので間隔の短い仕掛けは

使わないほうが良いと思います。

エサも真夏同様に針いっぱいか少したらす程度で良く、大型が多いからと

イシゴカイやアオイソメを一匹付けしても仕掛け絡みが増えたり、先だけ食われたり

飛距離が落ちたりとムダが増えるだけです。  

 釣り方

落ちギスは群れている場所さえ見つければ後は同じ場所で大型が連続して釣れますが

群れがいない場所でいくら粘って待っていてもまずキスは回遊して来ません。

従って早く群れている場所を見付ける為に、最初はなるべく広く探るべく、左右に投げ分け

たり、浜をどんどん歩いて移動して探します。 ポイントの項で述べたように、海岸がへこんだ

部分ごとに2、3投して、群れを探します。 深みと思える部分より1色は遠くに投げ、

さっと引き寄せて錘がすーっと深みに入ったならばスピードを落とし、一発目のアタリを待ち

ます。 ここでキスがあたって来れば、少しスピードを上げながら追い食いを誘うのがコツで

大きな群れにあたると次々と追って来て、アタリが連続して出ます。 竿先をブルブル震わす

程度のキスならばそのまま10メートルも引くとパーフェクトとなりますが、25センチを超える

キスが食いつき、グイーッと引き込むようならば、すぐに竿を立て、巻き上げにかかります。

キスが大きいと特に波に揉まれて取られる事が多くなりますので、波が寄せてくるスピード

にあわせながら取り込みます。 キスの活性が高い時や大型が連で来た時はキスがえさを

咥えて海岸に向かって泳ぐ為に、オモリまでこちらに引っ張り、オモリの重さが感じられなく

なる時があります。 このような時も急いで巻かないとキスがバナナ状となります。

群れを見つけるとこのように好調に釣れますが、さすがに1時間も同じ場所で釣っていると

次第に中小型ばかりとなりますので、次の深みを探して移動するようにします。