テクニック編

そのI 遠投高速サビキ釣法

近年徳島、北陸、岡山のキス釣りトーナメンターの間で研究され、その釣法が確立されつつある

6色以上の遠投からの高速サビキ釣りを私も今年から実践しており、大凡ですが理解出来、

釣果も上がってきましたので紹介させていただきます。試してみたのは浜詰と栗田の浜ですが

どちらの浜でも4連5連と良く釣れ、一回のサビキ時間が短いので、3時間100匹も可能な

釣法です。この釣り方を始めたきっかけは昨年のジャパンカップ中国予選でとても早いサビキ

スピードながら確実にキスを連で釣る四国の選手の釣り方に驚き、他人の倍以上のスピード

でなぜキスが釣れるのか不思議でならなかったからです。そこで昨年の報知決勝の前夜祭

後に四国の超ベテランの方々と語り合う機会があり、そのテクニックの一部を教えていただき

今年から私もキスの活性が高い時に試してみて、実際に良く釣れる為に目からウロコが落ちた

次第です。この釣法の条件ですが、波が穏やかで海水温が高く安定しており、キスの活性が

高い事が必要で、北近畿では梅雨から初秋までの波が穏やかな時期が適しています。

浜はあまり大きなカケアガリや海底の変化に富む浜はこの釣法には適しておらず、このような

浜は@、A項の釣り方が適しております。なるべく遠浅でだらだらと浅くなる変化の少ない

遠投で釣果が上がる傾向の浜が良いようです。有名な釣り場では鳥取県の弓ヶ浜が

この条件にピッタリだと思います。タックルは硬調子の竿と巻き上げのスムーズなリールに

道糸はPEの1号程度が適当です。オモリは遠投を要する為と砂紋の影響が少ない30号

以上の重めを使用し、仕掛けの針数は7本以上、オモリから最初の針までは長く取り

2メートル程度とし、針間隔は短めで25センチ位とします。(引くスピードが速く、一匹のキスが

何本もの針を飲み込むことが少ない為) エサは針一杯か少し小さめに付け、出来るだけ遠投

し約3色程度を一秒で遅くても50センチ以上のスピードで引きます。なるべく一定速を保ち

やすいように竿は垂直に立て、リールのみで巻き続けます。(四国のベテランはクーラーに座り

竿尻を砂に突き立ててリールをクルクル回して釣るスタイルを取っておられます。)

このような釣り方でキスが追ってくるのか半信半疑でしたが、秒速80センチ(一秒でリールの

ハンドル一回転)でも食いつく事が多く、先針から順に釣れる事が多いようです。

最近感じた事ですが、秒速50センチより遅くすると食いが落ち、それよりかなり遅い20センチ

程度の普通のスピードでまた食う確率が高くなるように感じております。

従って高速サビキは仕掛けが完全に海底から浮きあがった状態で引く釣り方で、キスの遊泳

層である海底から30センチ程度上に仕掛けを一致させて引くようにすることが

重要なようです。よって、従来の仕掛けが海底に這う釣り方では

やはり遅めの引き方かスピードに変化を付けるほうが良く釣れ、仕掛けが這う状態で早く引くと

あまり食わないようです。これはキスのエサである海底を這うゴカイ等は動きが遅く、海底から

浮き上がって泳ぐ小エビやアミ類は泳ぐのが速い事と関係があるのかも知れません。

いづれにせよ針に小さく付けたイシゴカイを海底から浮かして長い距離を引き、一匹でも多く

のキスの目の前を通過させて追わせたり、出会い頭に引っ掛ける釣り方で、従来の引き釣り

とは違った釣趣があり、高速で引く為にアタリも大きくでますし、仕掛けが緩んで絡んだり

キスが追い食いして仕掛けがバナナ状になったりしにくく、これからもっとこの釣り方を研究

いてゆきたいと考えております。みなさんも海が凪でキスの活性が高い時に思い切って

早く仕掛けを引いてみて下さい。意外と良く釣れるのに驚かれると思います。