私は近年、キス釣りではシマノのキスタイプRのBX-+を常用して来ました。

3代目キススペシャルのBX-+も以前は使っていましたが、砂紋バスターを多用するようになってからは、

3代目キススペの、抜きん出た超高感度性能が無くても、キスのアタリを鮮明に感じられるようになりましたし、

何より3代目キススペはその超高感度穂先やガチガチの♯2により、時としてピーキーな反発が発生し、

方向性が安定しない事も有り、投げる事に関しては、タイプRのほうがタメが作り易く、

方向性も安定しているので、3代目キススペはロッドスタンドの肥やしになっておりました。

そして2015年春。ほぼ10年ぶりにキススペシャルがモデルチェンジ。

4代目キススペの特徴をカタログ等で調べたり、フイッシィングショーでの開発者インタビューを見聞すると、

感度の質を上げ、且つ方向性を向上させたとあり、開発コンセプトは「感質」。

感度の高さだけで無く、質を追求、そして「投点自在」

距離、方向性を求められるキス釣りに必要なピンポイントを狙い易い特性を追求して開発されたようで、

投げ易くなったと聞き、食指がピクッとした次第。

何より、常用している砂紋バスターが27号なので、キスタイプRや3代目キススペのBX-+はかなりオーバースペック。

今後は、フル遠投時はキスタイプRで、6色半程度の中距離以下で釣る時は、

もっと軽い竿が欲しいと思っていた事も有り、27号オモリにも適合し、

いざとなったら、30号も使えるCX-+のキススペを購入する事にし、発表と同時に篭定釣具店さんに発注しました。

3月31日、送られて来たキススペは

竿と同色のケースに収まっており・・

早速開梱して

その色はカタログでしか知りませんでしたが、

アワビの殻の色と言うか、

真珠の色に近いもので、

当てる光線の具合により、

いろんな色を発色して

カタログで見るよりも結構綺麗だなと・・。
付属品一式。

竿袋は大して高級感は無く、

ロッドベルトも地味な感じ。

グリップカバーは、以前使って

竿との間に砂が侵入しやすく、

竿の表面に砂が擦れて

小傷だらけになるので、


実釣では全く使う気にはならず、

キャスティング競技用かなと・・。

3代目キススペとの大きな違いと言えば、

この継ぎ部分の塗装端の部分が、

一部保護されている感じで、

仕上げられていました。
先ずは・・ガイド位置の設定。

取り敢えずシマノ推奨位置にしようと、

そうしないとメーカーの設計どうりの調子が

出ないだろう・・と思い、

メジャーで採寸しつつガイド取付位置に

紙テープを巻いてマーキング。

先ずは竿尻に熱収縮ラバーグリップを

装着し・・・・。
同梱されて送られて来た、篭定釣具店製

チタン ダブルリングバットガイド。

3種類有る中で、一番小さい

リング径20−12のもの。

重さは9グラムで、

タイプRに装着しているものより一回り小さい

ですが、細部の仕上げが素晴らしく、

より繊細に、綺麗に研磨されており、

素晴らしい匠の逸品。
   他にAGSガイドと

トルザイトリングトップガイド、

リールシートはT-NS7GLをチョイス。

AGSガイドは、

ダイワのモアザンAGSと言う

シーバスロッドから取り外したものが

オークションに出品されていたので、

ぽちっと落札したもの。

サイズは7ミリが2個と8ミリ、

10ミリ、12ミリの3種類を

穂先に装着する事にしまして、

一番大きな16サイズは今回使用せず。
 

何故今回のキススペでは穂先ガイドを

シングルにしたのか?と聞かれたりも

いますが、 

これは、3代目キススペの穂先に

付けているのと

同じチタンフレームルビーリング

ローライダー2071セットと

キスタイプRから取り外した

チタンKWガイドを並べたもの、

特にローライダーは前後の足の

間隔が広くて並べると26センチとなり、

KWガイドも22センチ有ります。

ガイド自体はとても頑丈で

容易にはたわんだりせず、

前後の足の間では竿の曲りを

かなり阻害します。

特に今回のCX-+の穂先は

細身なので影響が大きくなり、これが

シングルフットガイドを採用した理由です。

140センチの穂先で26センチも

曲り難い部分が存在すると、

5分の1程度は曲り難く、と言うか殆ど

曲がらず当然穂先は硬くなり

アタリに対して穂先の柔軟な動きを

邪魔します。

KWでも6分の1程度の長さは

曲がりにくいですが、

ローライダーよりは影響が少ないと

言えるでしょう。かつて、

投げ竿のライントラブル

を防止すべく開発された低背、

小口径リングのローライダーはライン

トラブルが少なくてもてはやされ、

その後船竿やシーバスロッド、石鯛竿、

バスロッドなどにも次々と採用されましたが、

前後の足間隔が長いのが災いし、

柔軟性の高い穂先に使用すると、

ロッドの綺麗な曲りを阻害する事が

問題となり、シーバスやルアーロッドでは

殆ど使われなくなった経緯が有ります。

  投げ竿でも♯2は硬いのと

通常1個しかガイドが付きませんので

殆ど問題にはなりませんが、

繊細なアタリを取るキス専用の

竿の穂先では、

やはり影響は大きいと言えます。

よって今回はロッドアクションに

影響の少ない、穂先の綺麗な曲りを

得られるシングルフットガイドを

採用しました。


左画像のとうり、AGSガイドは

カーボンですので足部分も

力を加えると竿に沿って

たわんでくれるので、

ガイド取付部分で

ギクシャクした曲りとならず、

穂先が綺麗な弧を描いているのが

ご覧頂けると思います。


先ずは、シートを取り付けようと

極薄ステンレス粘着テープを巻き・・・
シートの真ん中に紙テープを巻いて固定し、

両端から巻いてゆく事にします。
今回巻き糸に使ったのは、

JustAce メタリックスレッドの
ROYAL BLUEメタと

FUCHSIAメタの2色。


購入はこちらでネット通販してました。
一寸遊び心で、(笑)

今回リールシートはピンクとブルーメタの

2色で巻き巻き。(^^♪
今回のコーティング剤は、

スケルターワークス 

紫外線硬化コーティング剤。


SKELTOR WORKS

UV-COAT HARD-1500 20g


を使いました。

従来私は、2液混合型のエポキシを

使って来ましが、混合する時に泡が入ったり

硬化にとても時間がかかる為、

今回は紫外線照射で約1分で硬化する

1液ハードタイプを使用する事にしました。


UVコーティング剤は、女性が爪に

ネイルをする時に使いますが、

それとほぼ同等のガイド専用の

ハードタイプのコーティング剤です。

日光では殆ど硬化せず、

紫外線を照射した時だけ

急速に硬化します。

これ1本で竿2本程度は

コーティング出来ます。

価格は1本1,000円程度と

2液タイプよりも安価です。

購入はこちらで。

なので、紫外線を照射するUVライトも、

娘が2,000円で購入して使っていた、

足をこれに突っ込んでコーティング剤を

硬化させるライトを借用〜(笑)。

まあ・・購入しても2,000〜3,000円と

安いものですが、これで十分硬化します。
フィニッシィングモーターを回しつつ

エポキシを塗布し・・・私は厚ぼったく

仕上げるのは不細工だと思うので、

糸が隠れる程度と薄めに筆や綿棒を

使ってコーティングし・・

モーターで竿を回しつつ

先程のUVライトで約1分、

紫外線を照射っ。

するとものの40秒程度で固まり始め、

1分も照射したらカチコチに・・・。

但しUVコーティング剤は硬化する時に

表面にベタベタした液が

薄く析出して来るので、


これをエタノールで拭き取ります。

エタノールが無い時は、手を消毒する為の

除菌用アルコールでもOK。
このコーティング剤は、透明度が高く、

硬化後の硬度も有り

一晩で竿一本を仕上げてしまう

突貫工事にもうってつけ。


チタン ダブルリングバットガイドは

ピンクのスレッドで巻いて取付。
穂先はブルースレッド仕上げ。

トップは超軽量トルザイトリングの

6ミリタイプで型番は

T-MNTT6-3.0

パイプ径は3ミリ。


トルザイトリングは、

「こんなに薄くて大丈夫か?」

と思ってしまう程の見た目だけど、

糸の滑りはとても良いらしい?。
2番目、3番目のガイドは

AG-SAS07と言う7ミリ径リングの

AGSガイドで0.3グラムと超軽量。

リング内径は4.8ミリで

富士のパワースピードスイベルも

余裕で通過。
3番目がAG-SAS08で8ミリ径リング

内径は5.5ミリ、0.4グラム
4番目ガイドがAG-SAS10で

10ミリ径リング

内径は7ミリ
0.6グラム
穂先の一番下がAG-SAS12で

12ミリ径リングで内径は8.5ミリ

0.9グラム。


尚、穂先のガイドは全て

シングルフットガイド

ですが、スレッドをガイド前方まで巻いて

抜け防止を図りました。


矢印先端部分に示してますが、

AGSガイドの足元に厚めにエポキシを塗布し

補強、抜け止め防止を図っています。

って事で、キススペが来てから、

約2晩で取り敢えず仕上げました。

後は試運転で微調整しつつ

チューニングしてゆきますっ。
   で・・肝心のアタリの出方ですが、

3代目キススペのような、何に対しても

金属的とも思えるアタリとは違い、

最初はややマイルドに感じますが、

アタリを誇張したり減衰させる事無く

とても正確に伝えてくれるのは

新キススペのほうが優っています。

初試運転ではガッチョや

フグも掛かりましたが

当然ながら魚種の違いは明確に

伝えてくれますし、前アタリに対する感度が

素晴らしく、触って来たキスの動きも

かなり明確に取れました。

本アタリでは、

キスの型がほぼ掴める感じで

魚体の大きさ、活性による違いも

鮮明に判ります。これは、新キススペの

感質チューニングも素晴らしいですが、

超軽量で穂先の動きを阻害しにくい

シングルフットガイドも好影響してくれて

いると思います。


 ベールローラーがこの位置ではスプールから放出されたラインは

第一リングは中央を、第二リングは下端を通り・・・

ベールアームローラーがこの位置では、

両方のリングがラインを竿に引き寄せて両方のリングの下端を通過します。



 次に♯2のバットガイドですが、

篭定チタンタブルリングの一番小さな

20−12サイズとしましたが、

細身のCX-+なので

サイズ的に好マッチング。


道糸のリングに対する位置は

画像のとうりですが、

このガイドに糸を通さずに

スプールから直接穂先のガイドに糸を

通すと、ベールの位置にもよりますが、

このバットガイトのリング中央よりも

1〜2センチ竿から離れた所に道糸が

来ます。

それをこのガイドで引き寄せるように

竿に近づけて


スプールから放出された螺旋状の道糸を

20のリングで第1チョークして小さくして

くれます。
シングルリングのガイドの場合

バットガイドを通過した螺旋状の

道糸は更にガイドの

裏側にまで回り込んで巻き込んだり

大きく暴れたりしますが、

約5センチ前方の第2リングで

回り込みを抑え込み、

第2チョークして螺旋を更に小さくして


穂先のガイトに送り込んでくれます。

よってこのガイトを使うとバットガイドへの

巻き込みによるパッチンが

ほぼ無くなるので、


思いっきりの強振が出来ますし、

2つのリングで暴れる螺旋を小さくチョーク

することで、穂先の小口径ガイドに

抵抗が大きなバタつく螺旋が到達しにくく、

スムーズに穂先ガイドを道糸が通過し

結果として穂先ガイドでの

道糸の通過抵抗が減って飛距離面で

有利となります。

見た目は何だか

抵抗が大きそうなガイドですが、


使ってみると一目瞭然。キスタイプRでも

実証済みですが、

パッチントラブルは一回も無くなりましたし、

特にPEの0.6号以下の道糸では、

チョーク抵抗も感じず


ストレス無く遠投が可能です。

と・・本日はこれまで。新キススペは試運転を1回終えただけで、

今後もっと重いオモリを乗せた場合の挙動とか、

キスの活性が高い時期でのアタリの出方、乗りの具合などを確かめつつ

良い方向にチューニングしてゆけたらと思っています。