釣行記 VOL14 報知キス釣り選手権に参戦 一人平均0.8匹?の巻

釣行日 2001年9月2日    
釣行場所 兵庫県淡路島慶野松原    
天候 曇り  
大潮    
対象魚 キス    
竿 キススペシャル405BX    
リール スーパーエアロチタニウム
道糸 PE0.6号    
オモリ 海草天秤33号改    
ハリス ホンテロン蛍光黄色0.8号    
ハリ ジャストキス5号    
エサ イシゴカイ    
釣り場写真
及び記事
今年の報知新聞キス釣り選手権は後援メーカーが決まらなかったせいか、毎年6月予選、

9月決勝、名人戦となる所が今年は1日で全部やってしまう強行試合となってしまいました。

従って1日で予選2時間、その上位30名とシード選手、歴代名人、過去優勝の選手権者を

合せた合計40名で決勝2時間、そして決勝の優勝者と名人とが対決する名人戦が

午後から2時間と参加者、特に上位を狙っているベテランにとっても過酷な戦いとなりそう。

一回のミスキャストや仕掛けのトラブル等が短時間の試合では大きく影響するので

今回は上ちゃんや監督も早くから仕掛けや道具の手入れに余念が無い。

そして試合前夜10時に監督の家に集合し、一路淡路に向けて舞鶴道をすっとばす。

日付が変わる前に淡路SAに到着し、クラブの会長、武田氏、今里脂匠、柿山氏、

伊達氏と合流し、軽く作戦会議後に西淡三原ICまで走り、すぐに試合会場の慶野松原に

到着。会長に聞くと参加者は140名余りと近年に無い、参加人数であった。

この人数が余り広くないこの海岸でしのぎを削るのか・・と思っていると、「昨日試し釣りを

した人の大半はボウズだったらしい・・」と聞かされ、不安に輪をかけられる。

2週間前に上ちゃんと下見釣行した折には2時間で20匹余り釣れたのに、先日通過した

台風後は殆ど食わなくなったとこの浜に詳しいレインボーキャスターズの岡野さんから

聞き、当初「15匹程度釣ったら決勝に行けるで・・」と3人で話していたのが、「やっぱ

3匹やわ」と大幅に下方修正・・(T_T)。「釣れん大会のほうが手返しの遅いワシらは

見込みが出て来るけど、そんなに釣れんと面白くないのー」とぶつぶつ言いながら

5時の集合時間まで寝る事に・・。しかし、やっぱりと言うか、当然のように例の監督の

爆烈イビキが爆発し、私と上ちやんは魘されるばかり・・・5時前になって目を開けると

続々と参加者の車が増え、すぐに受付が始まる。 受付で審査表と参加賞を受け取ろう

とすると、「佐織さんは過去優勝者ですので、決勝から出てもらいます。」と言われる。

参加者全員の名前を書いたボードを見ると、過去名人の矢野氏はともかく、

今年から過去優勝者は永久シードとなったようで、徳島の塩田氏、矢野氏、

坂東氏、我がクラブの淵脇会長、武田氏、大阪の沢田氏そして去年まぐれで優勝してしまった

私と昨年のベスト8の合計13人は決勝からの参戦との事。予選の審査等のお手伝いを

する事になりました。^^;). 松永全日本サーフ連盟長から競技説明が有り、すぐに予選

が始まる。

5時半に本部を出発し、6時の開始までに釣り場に向かって小走りで釣り場に

向かう監督と上ちゃんに声援を送り、暫く予選の観戦をする事にしました。

小川名人や徳島セントラルサーフの塩田さん、徳島燐友サーフの矢野さんらと談笑しな

がら、本部近くの選手の釣りを見る。ホイッスルと共に試合が開始され、早くもアタリが出た

のか仕掛けを早くから巻き上げる人が多かったが、殆どはミニチャリコ、ガッチョ、エソ、

ハオコゼばかりが針を全部咥えて揚がって来て、なかなかキスが姿を見せてくれません。

それでも15分位するとちらほらと「あっちでキスが釣れたで・・」とか聞こえて来て、

「監督と上ちゃんはどないや?」と思いつつ、会場から西に300メートル程の所に居る2人の

所まで歩き、「どや?」と聞くと、監督が悔しそうに「上ちゃんが一匹釣った。せやけど周りでは

ぜんぜん釣れて無いで・・・」と。・・監督に「一匹でも釣れたら決勝行ける可能性出るで」そして

上ちゃんに「もう一匹釣ったら確実やでぇ」と声を掛ける。

それにしてもキスの食いは渋いようで・・と言うよりキスがエサを食う前に外道が食い付くか

フグが針ごと切ってしまうようで、8本針仕掛が上げたら4本針・・・かまわずそのまま

投げたら針が全部無いで・・と嘆いている。  ボウズの人も多々有る状況で、

日が高くなるにつれ、ますますキスの食いは希薄になり、フグが活発と

なってしまうようでした。早く引けば外道も食いにくく、フグも針を取らないようでしたが、

キスも全く釣れないようで、仕掛けがボロボロにされるのを承知でスローで引かねばならない

消耗戦模様となってしまいました。 朝の3投位までに1匹でもキスが釣れた人はラッキー

だった・・と言える程、時間と共にキスが釣れたと喜ぶ声は少なくなり、「こりゃあ決勝でもボウス

続出やでぇ・・」とあちこちから聞かされます。そして終了の8時となり、続々と皆が引き上げて

来ますが、キスを提出したのは予選参加者の約3分の1程度・・・。

私も検量させてもらいましたが、1匹か2匹だけ提出する人が殆どで、予選最高は6匹。

2匹以上はほんの数人で、かなりの実力者でもボウズとなってしまった人も多数出てしまい

ました。 そして結果発表が有り、報知担当者から「キスの釣果が有った人は

全員決勝進出ですからすぐに準備・・」とアナウンスが流れる始末。本当は予選で25人程度

に絞られる所が、2匹以上釣った人が23名で25名に足らず、

1匹釣った人が30名以上居た為にシードと選手権者、過去名人と合せて60人程で

決勝戦を戦う事になりました。 その上決勝の釣り場範囲が予選より狭められた為に

決勝での釣り場混雑度は殆ど変わらない文字どうりの混戦模様。

決勝では比較的良く釣れていた会場から東に遠くまで歩きたかったが、検量の後始末で

出遅れた上に大半の人が東に歩き出した為に上ちゃんと2人で仕方なく西へ歩く。

上ちゃんは疲れたのか途中で立ち止まって竿を継いだが、私は混雑しているのを嫌って

西の釣り場範囲の最も遠い所まで歩いて行くと、末端近くにレインボーキャスターズの方々が

居られたが、その先は50メートル程度空いている。 ???と思いつつ一人ぽつんと

離れた所で竿を出す。 しかし、良く海面を見ると・・シモリが有るやんか!!。これでは

波口付近から3色あたりまで引く事が出来ません。 どうも根がかりが多い場所のようですが、

もう入る場所も無く、ここで心中する事にして準備に取り掛かります。 そして第一投。

せっかくアタリが出たのに途中でがっちり根がかり・・。投げる方向を変えてこちらは引けるが

揚がって来た仕掛けはフグの仕業で殆ど針が無い状況。どんどん仕掛けが無くなり、

それでも遠投したり、波口を引いたり、いろいろと手を変え品を替え探りますが、キスからの

アタリは出ません。そこで「ええい横に引いたろかっ!!」と真横の波止の際に投げ、

殆ど浜と平行に波口をそろそろ引くと、今までのチャリコとは少し違う「プルン」としたアタリ。

巻き上げるとボロボロの仕掛けに15センチ程のキスがぶら下がって来ます。

「ここに居ったんかい」と思いつつ、もう一回・・と投げようとすると他の場所を諦めた人が

その波止際に入られた為、2匹目のドジョウならぬキスを狙う事が出来ない始末・・・。

納竿予定時間30分前にやっとまたそのスペースが空いたので、早速また横引きをします。

数投後・・やっと同じようなアタリが出て、また同じ型が釣れ、嬉々としてクーラーに入れて

いると、隣のレインボーの岡野氏が指を一本立てて「釣れたんか?」とサインを送ってこられ、

「ここ、横に引いたら来ます」と言いつつ、もう残り時間が殆ど無いのと会場から遠いので

引き上げる事にしました。 そして検量。

同数があまりにも多いので松永会長が長寸勝負とキスの長さを計られ、

いよいよ結果発表。 そして優勝は東に歩かれ、4匹も釣った上に24.3センチのキスを

釣られた鳥取の柴田さんがトップ。2位も4匹、3匹が5人、私を含む2匹が3人、1匹が

7人、そして0が49人も出てしまいました。 上ちゃんも最後まで頑張りましたが

やむなく「ボ・・・」となってしまい、念願のシード権はまた来年までおあずけとなりました。

本当に釣れない試合でしたが、トップの柴田

さんの24.3センチのキスが飛びぬけて大きく見えました。 

下の写真は1位から柴田さん、2位の吉川さん、3位の山崎さんです。

私は結果として8位タイとなれ、シードも取れましたが、表彰の折にはクジ運悪く、

賞品は10位の品物となってしまい、欲しかった高級そうなウインドブレーカーは

他の2人の手に・・(T_T)

しかし、なぜか漬物?や釣りライト、大きな磯バッカン??やその他いろいろと頂けました。

何とか入賞出来、ほっとしましたが、来年はもっと釣れる場所でやりたいなぁ・・・。

その後食事に行き、帰りに名人戦の観戦にと大会会場の西端の浜に向かいました。

到着するとすでに場所交替時間間際で、挑戦者の柴田さんが2匹、そして小川名人は未だ

釣果なし。・・始めの1時間は柴田さんが三原川河口側に入られ、本部側に小川さんが・・

キスは川側に居たようで、名人の方には殆ど居ないようでした。 潮は満潮から少し下げ

始めた所で場所交替。 交替しても名人は柴田さんが釣った所にはすぐには投げず、

ポイントを休ませている様子でした。 そうする内に潮はどんどん下げ初め、河口から

潮目と共に東へ流れ始め、河口波止のドン詰まりに有る小川名人側の場所は逆に潮が

淀み、今度は柴田さん側のエリアのほうが潮の流れが良さそう。丁度三原川の真水が

4色程度沖を右に流れる形となり、名人に取っては

ますます不利になったかのように見えました。

そのあたりを察知されたのか、ますます厳しい表情で極ゆっくりさびいておられましたが、

遂に3匹目を柴田さんが釣られ、追い込まれた形に・・・。時間は迫り、このままで終るのか、

と思って見ていると、終了のホイッスルが鳴ったと同時位に「名人2連やー」と周囲から

歓声が上がり、最後の一投で不利な条件の中、執念で釣られた感じでとても感動しました。

「さすがタダでは終らん、さすが名人やなぁ」と皆が言う中、何とか追い上げを交わした

柴田さんが勝利。名人位交代の瞬間です。 「おめでとう」と言いながら小川さんから

握手の為に柴田さんに手を出され、2人でがっちり握手されていました。柴田さんは

緊張されて硬い表情でしたが、小川さんはすがすがしい表情で、「あんた年は?そうか

33かっ、わしの半分やの」とさっぱりした感じでした。 昨年の私もそうでしたが、

名人戦で多くのギャラリーに囲まれての一対一の対決は挑戦者に取ってはきついもので

なかなか普段どうりの釣りが出来ない中、柴田さんは常に落ち着かれた感じで、日頃の

修練の結果を出し切った・・予選、決勝の勢いで名人戦も一気に戦った感じでこの2人の

戦いはかなり見応えがありました。 そして表彰となり、柴田新名人位が授与され、

ここでふっきれたのか柴田さんがガッツポーズ。大きな拍手が沸き起こる中、

名人戦も終わりました。

さて、来年からはまた予選、決勝、名人戦と半日づづ日を変えて行われるとの事。

今度は柴田名人を目標に皆さんが戦いを挑まれ、また「伝説」が生まれる・・

私達3人もこの大会でどこまで勝ちあがれるか・・を日頃の糧としてまた頑張りたいと

思います。 「その為にはまだまだ修行が足らん、釣れても、釣れんでも、くそぼうずでも

浜詰に通わんといかんなぁ・・」と言いつつ淡路島を後にしました。それでは、またっ。

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